ST

発声練習

4点C~5点bまでの音域を練習した。
この段階では、換声で少し音程が♭で声がこもった。
課題としては、むしろ低音で地声になる傾向である。
実際の演奏において、これが目立ったり音程に難を感じるケースも多いだろう。
5度上くらいから声質を変えないで降りる練習をしてみた。

フォーレ「夢のあとに」

良い声質で音程もリズムも正しく歌えていた。
指摘したことは、フランス語の語尾のあいまい母音の処理。
口奥の空間を保持した状態の、あいまい母音という点。
そのことで、あいまい母音としての響きが保たれるからである。
後一点は、フランス語と音符の扱いについて。
最後のフレーズにある、Reviens,reviensと歌うところ。
ReviensのシラブルをRe-Vi-ensと三つに分けて、最初の四分音符にReとViを入れてしまったこと。
このjは半母音といって次のEとつながって、1シラブルで発音されるのが基本。

フォーレ「リディア」

オリジナルキーで歌ったが、前半テーマの中低音域はこの場合ピッチを高くしない方が和音感が良い。
その代わりサビの高音は、充分に換声出来ていたので良かった。
発音はほぼ問題なかった。

山田耕作「野薔薇」

この作品の美点が表現される歌唱になっている。
中高音域の換声が出来るようになったからであろう。
逆にそれが全体の印象を固定化している原因でもある。
出だしのそれほど高くない音域では、もう少しリラックスした落ち着いた響きが望ましい。