TNK

発声練習

2点G~4点Fまで、これまで指導してきた目的の歌声にかなり近づいたという印象。
特に4点C~Fの声がバリトンらしく落ち着いた印象良い。
声の印象を考えると、そろそろヴェルディのオペラアリアなど向いているのでは?と思った。
強いて言えば、低音域はざらざらさせずにソフトな声を目指したい。
母音Aで行う場合、Hをつけることで微妙に息の混ざった低音発声になれば、口の開け具合で共鳴を呼び込めるだろう。
息を微妙に混ぜるのは、共鳴を出すことが目的であり、ソフトにすることが第一目的ではない。
そのため、口の開け具合には工夫が必要である。

コンコーネOP9から40番

これまでのレッスンで教えて来た発音と発声位ついては、ほぼ目的レベルに達したと思えた。
リズム感に揺らぎを感じたので、伴奏無しで歌ってもらった。
この際には拍を手で叩きながら歌うという方法にした。
これで伴奏とのアンサンブルが気持ちの良いものになった。

シューベルト「野ばら」

これも声は良い。
発音もかなり明快になった。
あと勉強すべきは、歌詞をどう感じて歌うか?という点。
そのため、日本語歌詞を朗読する練習をした。
家で練習していただきたいのは、ただ間違いなく読むことではない。
歌詞の内容を役者の言葉のように考えて読むことである。
結果的に全体を通してその感じた雰囲気が、1番2番3番で変化するはずである。
その変化が聞いていて心地よいのである。

シューベルト「菩提樹」

これも良い声で明快に歌えるようになった。
更にドイツ語のアクセント部、つまり基本的に長い音符の長さをアクセントとして意識して歌えれば更に良い。
そのためには、ドイツ語の朗読をすると良いだろう。
私のピアノが下手なので、実際伴奏者を付ける場合は、もう少し速いテンポでも良いかもしれない。

武満徹「歌うだけ」

これまで良く歌えているという印象が続いたが、改めて声が改善されたことが大きい。
そのため、冒頭部は大きな声で歌わずに丁寧に良い声で歌う方が良いだろう。
ただ、中間部の「歌歌歌うと歌うと~悲しみは膨らむ風船のように」は声を張っても良いだろう。
伴奏合わせで完成出来ると思う。