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コンコーネは21番を練習しました。中低音の声の響きは良く出るようになったと思います。
いつも言うとおり、下降形のフレーズに注意して下さい。
響きを落とさないように、上のラインに合わせてフレーズするように歌うことが、下降形では特に大切です。

高田三郎の「雨が降る」は、まだ気を付けないと、下顎をガクガク動かして発音するせいで、響きのピッチが低くなります。
日本人にとっては、日本語はシラブル単位で発音する意識が無意識であるため、音符を歌うと、音符ごとに
顎をガクガクと動かすわけですが、これが響きのピッチを落としたり、レガートな響きの歌唱を出来なくしてしまう原因です。

日本語を明快に歌って聴かせる意味は大きいですが、それ以前の基礎的なこととして歌詞を歌う声のラインをレガートに出来ること、
を最優先にして下さい。
そのために、発音時に下顎を無駄に動かさないことが大切なのです。

同「冬の森」は、基本的なテンポ感が早すぎるので、落ち着いてじっくり歌うことに徹して下さい。
これは、発声も大きく関係しているのだと思います。
ブレスを落ち着いて静かにすること、声の響きをレガートに丁寧に歌うように心がけて下さい。
前回より良くなりましたが、まだまだ歌い急いでいる感じが残ります。
かなりゆっくりだと思います。

最後にラクメのアリアでした。
冒頭の民謡風の主題が終わって間奏の後のアリア部分も、ゆったりしてテンポでじっくり歌えるようになってください。
それがあればこそ、スタッカートで始まるテンポの速い後半部分が生きて来ます。

全体にゆったりのテンポが苦手なので、ブレスと発声の関係があるでしょう。
背中をじっくり拡げるようにブレスを入れて、喉を開いて発声する基本的なところを確実にやってください。
最高音域の発声もその延長線上にある、と考えてください。