NM
発声練習の声では、口を開けたハミングを練習し、母音に繋げる練習をしました。
元来が鼻腔の響きが足りない声の響きと感じています。
喉の使い方は悪くないですが、鼻腔共鳴を使えていないため、声の響きが硬くなるか、
低音になって薄くなるか?という音域によって段差の大きい声の響きになるのだ、と分析しています。
鼻腔共鳴は、軟口蓋を上げることと、喉を適度に下げていることのバランスを取らないと出来ません。
喉側が出来てきているので、これから鼻腔の響きを作って行く方向が課題になると思います。
フォーレの歌曲から、Ici bas,Chanson d’amour,Aurore の3曲を練習しました。
その場しのぎではありませんが、中低音で響きが弱いところは、鼻腔ではなく口腔の共鳴を利用する感じで、
口の開け方、あるいは口奥の開け具合、作り方を工夫した発音、発声をすることで、喉そのものではない
共鳴のある響きで対処することを指摘しました。
あとは、高低差やリズムの変わるフレーズの流れを、なだらかに滑らかに歌うことを大切にしてください。
特に跳躍の際に、極力注意すると音楽表現がかなり丁寧に変わると思います。
音程を気にしすぎないで、滑らかさを取ることと、音程はフレーズの入りで決まってしまう、ということで、
むしろブレス時のポジションの取り方に注意することの方が大切である、と考えてください。
OM
コンコーネは21番からでした。中低音の声が安定して良く響くようになりました。
フレージングも丁寧に処理出来るようになりました。
日本歌曲は、高田三郎の「雨が降る」から歌ってもらいました。
前回指摘した、フレーズの滑らかさ、フレーズ単位の言葉の分節の扱い、が意識されて、
レガートで、リズム感の安定した歌になりました。
低音に降りる声の響きの処理は響きを落とさないように充分注意してください。
「冬の森」こちらも、声、フレージング共に上達しました。
強いて言えば、子音の処理が弱く、最後の「無になり」「空になり」の語頭の単語の判別が
し難い傾向が残っています。声の響きとも兼ね合いがあり、特に「無になり」は、
音程が高めなので、響きを上ずらせないように気を付けてください。
最後に「ラクメ」のアリアを歌いました。
今まででもっとも出来が良かったのではないでしょうか?
声の響きが良く出ており、高音も伸びが良かったです。
最も最後の最高音3点Eは、さすがに硬い響きでしたが、それでも伸びていました。
中低音~中高音の声の響きが良く、ブレスも伸びており、長い間練習した成果が
ようやく実を結んできた、と実感できるものでした。
更に、最高音の響きを伸ばせるように、精進してください。