OM
発声代わりのコンコーネは22番と23番を練習しました。
特に22番は喉が温まっていないので、母音A→Iに変更しても練習しました。
Iではどうか?と見ましたが、中音域の発声において、まだ鼻腔が開いた発声になっていないと感じました。
口を横開きにしないことと、上唇を上げるようにIを発音できると、鼻腔の開いた、ピッチの高い響きになるでしょう。
結果的に喉が締まらない声になると思います。
中低音の声は、結局、最後の最後にやったラクメにおいて、この点が矯正された結果が出せ、結果的に高音も滑らかな声になり、非常に有意義なレッスンとなりました。
ルチアのRegnava nel silenzioは、声の安定感が全体に平均的でまとまっており、仕上がり具合は良いと思えます。
高音はまだ硬さが残っていますが、かつての喉っぽさが影を潜めているので、良い方向だと思います。
ここでは、まだ中低音の声のピッチが低めでしたが、とにかく、うるさい事を言わずに、歌うモチヴェーションを大切にしてもらいました。
高音発声のモチヴェーションというのは、独特のものがあります。
うるさいことをコマ切れに言うよりも、まずは全体を通して歌うこと、声を出すことから、本人が徐々に慣れて行き、気付きを起こすこと、そのための手助けでしょう・・・・。
この曲は、中間部から後半にかけて、細かいメリスマがヴァリエーションになって出て来ます。
Intempoを旨とするならば、テンポ設定をその部分に照準を当てて、早すぎないテンポ設定が大切です。
それだけで、上手く行く面が大きいです。
何度か通しましたが、最後の3点Dが綺麗に決まるので、終わりよければすべて良し、ではないですが、良くまとまった感じになるから
面白いものですね。
最後にラクメを練習した際に、口の開け具合と声のアタックの高さの意識を指示してやってもらったところ、
全体に非常に滑らかフレーズの声になりました。
滑らかと言うのは、中低音のピッチが高くなり、中高音の声の繋がりが自然になり、高音域までスムーズに
本人は、喉の負担感がないあまりに、声が聞こえるのか?と心配になるようですが、その心配は要りません。
良く通る響きであり、喉の力で押すのではないため、出している感じがしないですが、良く響いています。
特に高音というのは、力で押さないで通すように響かせれば、充分聞こえるものなのです。
ラクメの最後の3点Eは、その前の間合いを取り過ぎではないか?と話しました。
普通の間合いで一気に行く方が力まないで出せる、と思いました。