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コンコーネの22番~24番を練習しました。
声が温まるまでは、声の響きが柔い感じで頼りないですが、徐々に声が芯を持つようになります。
しかし、基本的な胸声発声はまだ確立していないと思います。
胸声=地声という考え方ではなく、声の使い方の一つで、声唇が良く伸びて振動する状態になること、と思ってください。
地声と呼ばれるものものその中にありますが、地声と言う場合は、単に女性の場合の音域による声の出方の違いを
表すものです。
たとえば、1点Gの声は、地声ではありません。声は裏声化していますが、その裏声化している声の中で、
どれだけ声帯が開かないできちっと合わさった声になるか?声帯が充分に進展した状態で振動出来ているか?
ヴァイオリンの弦がしっかり張られた状態で、弓が一定の圧で弦を擦っている状態であるか?
それが音楽的な音質を出し、保てているか?
ということとまったく同じ様に声を扱う最初の基本が、正しい胸声発声、ということです。
低めの音域で、かつ、地声に落ちない音域といえば、1点Gくらいでしょう。
この辺りで、ブレスを胸に入れないようにお腹だけで静かに膨らませ、声を出す瞬間に
みぞおち辺りから出だすように意識して下さい。
もっと高い音域で始まるフレーズは、逆に5度下かオクターブ下の音を声で出してみて、
その時の喉の状態をなるべく動かさない(変えない)で、発声してみる訳です。
そうすると、声に芯があって、音程感が微妙に低めだとしても、おおむね音程の合った声が出ます。
その時、喉は締まらず、開いた感覚になるでしょう。
そして、声を出す力加減の割に、び~んと良く響けば合格です。
酒を飲むと、リラックスして自然に声が大きくなりますが、あの効果に似ていると思って下さい。
やり比べると判るはずですが、地声はもっと喉を締めていますね。
正しい胸声発声では、喉を締めることはありません。
こういう発声を、なるべく2点Dくらいまで保ってほしいのです。
そのことがきちっと出来ると、その上の声へのチェンジが非常に良くなります。
今日の成果としては、ドビュッシーのApparitionよりも別宮貞雄「さくら横丁」でした。
出だしの2点Dの喉が上がらず、ファルセット成分の多かった子供っぽい声が、落ち着いた
声に変化していました。試みにグノーのJe veux vivreを歌ってみると、中低音の声が
声量が増していました。高音は、締まらなくなる傾向が出て来ましたが、この点は後への課題としたいところです。