KY
発声は、力の入れ具合を覚えると良いです。
低音から始めると、もろに地声になってしまう傾向がまだ残っています。
声を一所懸命出そう、と力んでしまいます。
下顎を楽に降ろし、軟口蓋を良く上げて、高く発声すると、低音から直接的な地声にならずに、良く響く声になります。
このことに気づくと大きいです。
要するにあくびの状態をブレス時点作っておくことです。
口の奥を良く拡げて大きくした状態で、柔らかく発声することです。
イメージ言うと、硬いコンクリートの道を踏みしだいて歩くのではなく、枯れ葉のじゅうたんの上を柔らかく、しかし、しっかりと踏みしめて歩くイメージで声を出して下さい。
曲の中では声のことには及びませんでした。
「かえろかろと」では、やはり歌詞のイメージをどれだけ想起出来るか?そしてそれが、喜びとか悲しみとか
懐かしいとか、淋しいとか、そういう具体的な感情になるべく結び付けることを言ったと思います。
「赤い鳥小鳥」は、感情そのものよりも、子供に聞かせるユーモア、の一語に尽きます。
その子供を相手にユーモアを持って、この歌詞を歌えるかどうか?が鍵です。
「ゆりかごの歌」は、「かなりや」「びわのみ」「きねずみ」「きいろいつき」の4つの単語がキーワードです。
いずれも黄色い色が要になることに注目。そしてそれらのイメージを良く出しましょう。特に黄色い月の
フレーズは大切だと思います。
シューマンの「献呈」は、中間部の終わりから再現部にかけての戻り方に集中しました。
それは、ブレスが長いフレーズになっている上に、Ritになるために、余計にブレスが苦しくなってしまうようでした。
カンニングブレスなどいろいろ試しましたが、なるべく1フレーズにまとめることが、音楽的にも自然であるという結果でした。
WH
今回のレッスンは、声の調子がとても良かったです。
発声練習から良い調子でした。
ベッリーニのOh quante volteも、長期間練習した甲斐が出て、滑らかに歌えました。
レシタティーヴォも端正に、歌えていましたが、二か所ほど練習となりました。
前半の最後に出てくる、Faci feraliを歌うメリスマの下降部分です。
正しく歌えていますが、確認しながら歌っているのが見えてしまいます。
流れを大切にして、あまり遅くならないで、最後だけブレーキをかける感じです。
それから、後半で出てくるDove inviarti dove? の7度の音程。難しいですが、音程以上に、低音側の発声を響きを落とさないこと、支えてそっと降りることを忘れないでください。
アリアは伴奏が当初テンポが重かったので、流してもらいました。
オーケストラチックな演奏でしたが、ブレスがきついでしょうし、声が開放的になれなかったと思います。
高音は、以前のような突出した感じがなくなり、フレーズがレガートに歌えるようになった点が良いです。
最高音は、もう少し響いても良いと思いますが、この曲のアリアでは、そのことよりフレーズの滑らかさの方が
表現として大切ではないか、と思いますので、あまり気にするほどのことはない、というくらいの充分な声だと思います。
プッチーニの「つばめ」の「ドレッタの夢」は、ほとんど言うことはないですが、ピアノとのアンサンブルは
注意が必要です。
特にPP指示の所、3点Cの後の、Ah mio vitaの入りです。
ブレスのタイミングと弱声発声ゆえの声のアタックが微妙に遅くなるタイミングへのピアノの配慮について注意しました。
最後の2点b、D’orはテヌートしても良いですが、伴奏をよく聞いて、次のフレーズへのタイミングをはかって下さい。
最後のCsoiの終わりはディミニュエンドで、メッザヴォーチェにしてさっぱり終わって下さい。
YC
今日はレッスン前に練習して来たというだけあり、声が最初からいつもより良く響いていました。
発声練習はほどほどに練習して、早速ロッシーニの「約束」を練習しました。
練習の甲斐あってか、滑らかな声質でこの曲の持つ美点が良く表現出来ていました。
伸びやかで香り高い旋律感があると思います。
強いて言えば、後半に出てくる、PPでの声の表現力が課題です。
まだ、腰のないスカスカした声質になる傾向です。
PPの声は、決して息漏れを多くするのではなく、むしろ、より密度の高い声質を指向してください。
何となく弱くするのではなく、より声帯そのものに集中して、小さな狭い範囲での声帯の響きを作る意思で発声しましょう。
ボエームの「ムゼッタのワルツ」は、何度も繰り返して練習をしました。
最後の高音が、納得がいかなかったようです。
確かに、最初は音程感が微妙に♭でした。
これは喉の空きが足りなかったようです。
最後の2点hの一つ前の2点gの時点で、喉が開いておかなければ間に合いません。
そのための、上あごの開きを2点gの時点で意識しておいて、と指示しましたら、すっきりしました。
最後のti morirにブレスなしでつないでディミニュエンドも出来るようになりました。
結果的に、楽譜の指示をもう一度良く見れば、A tempoとRitやAllargandoなどの交錯するテンポ指示に、
芝居の動きや、感情の動きが見て取れます。
このムゼッタのキャラクターと合わせて、改めてこの楽譜の指示に従って歌ってもらいました。
それだけで、歌が活き活きとしてきます。