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彼女も姿勢だけで、発声が俄然良くなります。
うなじ(首の後ろ)を立て、うなじから顔全体を支えるようにする姿勢が、
喉頭をしっかり支えてくれるようです。
これが、恐らく輪状咽頭筋、茎状咽頭筋の働きを良くするのだと考えています。

要するに筋肉が働き易い状態になる、ということです。
筋肉はゆるみ過ぎても駄目だし、緊張し過ぎては働けないです。
その意味で、うなじを立てた、いわば、顔全体が後ろにすこしずれたような姿勢になることで、
喉頭を首から引きとめる働きが出てくるのです。

同じような働きは、胸骨甲状筋にもあるわけですが、これが、下顎を力ませて、舌根を硬くしてしまうことと
間違えやすいため、副作用が大きいと思います。

うなじを立てることに集中すれば、下顎を力ませないで(使おうとしないでも)喉頭が
保持されるポジションが作れるわけです。

発声においては、下顎の力みがもっとも悪い影響を与えますので、やはりこの姿勢は、とても重要なことになると考えます。

そういう観点で、今回の3曲全て見て行きました。
ドビュッシーのRondeauは、高音を張り過ぎないように、特に2点Fから上の声、切り換えて上あごだけの声にするケースがあります。
その見極めを大切にしてください。

その発声の切り替えは他の2曲も同じですが、特に高音なので、HahnのPrintempsも、今日のレッスンでやった切り替えの見極めを
大切にしてください。

また、どの曲も、中音域の声が大事ですが、発声では姿勢による変化をくれぐれも大切に扱ってください。
特にHahnのLe rossignol des Lilasでは、中音域の声が
大切です。これがきちんとしてないと、この曲の音楽が見えなくなってしまいます。