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今回の発声のポイントは、ブレス時にあくびの状態を作る、ということです。
これだけのことですが、これが出来てその上で声が決まるのは、なかなか難しいことです、
しかし、今日は非常に上手く行きました。
こちらがやってみせたこともあり、彼女は真似が上手いのかもしれませんが、これまでの蓄積の上に、
良いタイミングでこのことが教えられて、学ぶことが出来た、偶然ともいえましょう。
あくびをした状態を作ることの本当の意味は、声門をきれいに閉じた状態で、かつ喉を締めないで
発声する、ということにあります、
よくあるように、こもったような太い声を出すのがあくびの意味ではまったくありません。
ただ、この点は間違い易いのです。
また、こうも云えるでしょう。
喉を下げて、軟口蓋を上げた状態で発声すると、声帯が進展し、結果的に声門の閉じた状態になるということ。
このことを踏まえて、ベッリーニのVaga luna,Ma rendi pur contento,Vanne o rosa fortunataの3曲。
そして、イタリア古典からChi voul la zingarellaなどを練習しました。
それぞれ大切なことは、母音の違いで喉奥を拡げることは同じようにする、ということです。
母音の違いによって、声質が段違いに変わってしまわないように、発音することです。
そのために、喉奥を開けた状態を保つように、発声する必要があるわけです。
特に音程差の無いフラットなフレーズの場合は、なるべく下顎を動かさない発音を心がけて下さい。
その分を、上あごを上げる意識や、唇などを良く使うことが大切です。