GH
発声練習、あるいは歌声を聴いていると、1点Cまではきれいな倍音の出る声になっていますが、1点Cから上になると、まだ喉が上がるようです。
上げないように顎を引くわけですが、そうすると確かに喉が上がらない面がありますが、それだけでは喉が硬くなるだけで、軟口蓋は使えてないため、微妙な音程感に難があります。
音程が出しづらく、結果的に喉を締めている高音発声の状態だと思います。
状態としては、顎を引いて喉を押さえて、声を高いポイントから出そうとしているように見えます。
ただ、顎の引き方が強すぎるように見えます。
このままですと、喉は動かないかも知れませんが、周囲の筋群が硬くなって、必要な働きが出来ないのではないでしょうか?
解決策として、まず、一旦顎を引くのを止めにして、喉を楽にするために、逆に顎を上げてしまって下さい。
その上で、喉をリラックスさせて、自然に喉を落とさせるために、声を胸から出すようなイメージで発声してください。
こうすると、とにかく喉はリラックス出来ますし、胸を意識して声を出すことで喉は自然に落ちると思います。
その上で、音程が問題になりますが、この際に、軟口蓋を上げますが、あまり意識しすぎないで、あくびをする状態を
ブレス時に作れば、それだけで充分です。
あとは、無意識に音程を出そう、と思うだけで良いです。
曲を歌う場合に、今の発声の課題が顕著に現れるのは、シューベルトの「冬の旅」16番の「最後の希望」の出だしの声でした。
hの音で出だす声のポジションが妙に高く、喉が緊張していて響きが痩せていること、音程が浮ついて感じるため、ピアノ伴奏とのバランスが悪く、和音感のない声のピッチになってしまっています。
まず、音程を気にし過ぎないで、胸に落とすように楽に発声すること。
その際に、顎をぎゅっと引かないで、むしろ顎を出してしまった方が良いでしょう。
その上で、音程を出すのは軟口蓋ですが、むしろ音程だけを少し上げてあげるだけの意識で良いでしょう。
2曲目「村の中で」は、中間部、伴奏形が変わるところからのJe nunで始まる音楽。
喉が締まらないように、柔らかく良い声で歌い出してください。
3曲目の「あらしの朝」は、譜読みが途上なので、母音で練習しました。
この曲に限りませんが、なるべくピアノの和音を聴いて、その中で自分の声がどういう響きなのか?という
声のポジションを考えた譜読みが出来れば理想です。
まずは音が読めるか?リズムが取れるか?ということで、一喜一憂しがちですが、本当は声の和音感という問題が、良い声を聞かせる上で、とても大切なことなのは、特に歌曲の場合は言えると思います。
発声の方法は大事で必要なことですが、現在のGHさんのレベルであれば、あえて、方法が先ず大事と言う考えよりも先ずは結果がどうか?と言えるでしょう。
喉が楽で、響きが豊かであり音程が良い。これだけそろえば、結果的に良い発声であると考えても、あながち間違いではないと言えます。