OM

発声練習代わりに、コンコーネの15番から9番を練習しました。
良く歌えているので、声を温める程度に考えれば言うこともないのですが、発声となると色々出て来ます。

ブレスが足りないのに、無理にフレーズを伸ばして歌ってしまう癖がありますが、これはいけません。
カンニングブレスを入れるか、ブレス自体を改造しなくてはなりません。

ブレスをどうするか?

ブレスというのは、息を入れることと共に、喉の状態を整える意味があります。
特に最初の歌い出し、あるいは長い間奏のあとで入る時などです。
それから、カンニングブレスなど短いブレスの時に、喉の状態を変えてはいけないのです。

喉の状態、というのは、いわゆる喉が開いていること、喉奥が拡がり鼻腔も開いていることを意味します。
息を短い瞬間に胸で吸おうとすると、この喉の状態が壊れてしまいます。

お腹の呼吸筋を上手く使えると、胸を使わなくても瞬時に息が入ります。
このブレスを出来るようにするためには、腹式呼吸を覚えなければなりません。

今更ながらですが、この基本が声楽では一番難しいです。
それは、ヨガやストレッチのような単にお腹で呼吸が出来れば良いのではなく、あくまで発声することとの関連がなければならないからです。

息を吸う時に、肋骨直下にあるお腹廻りが、息と共に自然に拡がるようにしてください。
慣れるまでは一杯吸わないで静かに楽に吸う方が上手く行くでしょう。

このためには、下腹部に少しだけ力を入れて、やや引っ込め気味にしておく方が、上手くお腹廻りを
拡げられるでしょう。

それから、拡がったお腹廻りを発声と同時に更に拡げるようにお腹を使うことを覚えて下さい。
このことが、フレーズをコントロールする微妙な呼吸の調節に影響を与えるからです。

それから、前述の喉の状態は、昔から声楽では「あくびをする状態」と言われて来ました。
彼女の場合は、上あごの奥の上を高く、軟口蓋を高い状態にすることに意を注いでください。

このお腹廻りを拡げるようにブレスを入れることと、その際にあくびの状態を作ることです。
それが出来た上で声を出だす・・・ということを確実に習慣化してください。

曲は発表会のマノンとコンサートアリアをざっと通しました。
高音は良い調子で、毎回伸びているな、と感じさせるテンションを持っています。
マノンのフランス語も明快になって来ました。更に明快になるよう、練習を続けて下さい。

あとは、今日の練習でやったように、声の出し始めで、喉の準備とブレスを意識してください。
ブレスは一朝一夕で行かないですが、色々試行錯誤して、安定したポイントを見つけて行ってください。