最近、ボイストレーニングの世界でも独習、自習される方が増えているな、と感じます。
それだけ、ボイストレーニングそのものに興味が向き、声を開発しようとい意欲のある方が増えているのでしょう。

ただ、自習は蟻地獄に落ち込む危険性がありますから、くれぐれもご注意を!
だからボイトレの先生の所に行きなさい、という意味ではなく(笑)本当に独りで練習していると
間違った方向に進んでも、そのことに気づかないまま独特の癖がついて、それで良い気になってしまうから怖いのです。

例えば高音。
高音は出るか出ないか?という判断でいえば、出ない声は判断のしようがありませんから、出す方向で練習するわけです。
しかし高音は出せても、声楽の声としての「良い響き」に達しなければ意味がありません。
意味がありませんというと厳しいですが、その良い高音とそうではない高音の差が実は大きいのです。

低音は、鳴らさなければいけない!と思い易いもので、実は高音以上に喉を絞めてしまうことが多いのです。
喉を壊さなければまだ良い方で、下手な発声が身につくと、聞くに堪えない低音の声になってしまうことがあります。
押しつぶしたような声、いわゆる「だみ声」というやつです・・・・

人間というのは肉体的な訓練を経る中で、どうしても自分に甘く、楽な方向を選ぶ癖のようなものがあります。
歌声もそうです。

何も根性論を言いたいのではないのです。

そうではなく、良い声を出す本当のポイントというものが、概して非常に絶妙なポイントにあることが
多いため、録音だけではその差が判らないのです。

また練習場所です。
マイクを使う、Pop系ならいざしらず、マイクを使わないで響かせるクラシックの声楽の場合は、
小さな練習室で自己満足に陥ってしまうと、広いホールでは通用しない声になってしまうことも
あるのです。

自分自身でも感じることですが、最も気を付けるべきことは・・

ブレスの方法
歌っている時の息の使い方
喉への集中

この3つです。
これらの3つは初心者の場合は、なるべく自習しないで先生に就くことをお勧めします。
最初が肝心ですので、必ず先生に就いてください。
そうでないと、悪い癖がついてしまいますと、治すのにとても大変ことになり、一生の後悔を
することにもなりかねませんので。
くれぐれもご注意ください。