私のブログでこの両者の作品が取り上げられるのは初めてでしょう。
先日スクリャービンのソナタ2番の素晴らしい演奏に接する機会がありました。
一聴してベートーヴェンからも影響を受けていたのではないか?と直感的に思って調べてみました。
第一楽章の対比的な2つのテーマが敷衍し、やがて収束していく雰囲気においてです。
メロディのキャラクターに、ややうまみ成分が少なくチープな印象があるところ。
そして、第二楽章は月光ソナタの第三楽章を想起しました。
この作品は海を想起して作曲されたとのことですが、わたしには海の音楽というイメージが浮かびませんでした。
調べたところスクリャービンは黒海に滞在して、この着想を得たとのこと。
私は太平洋や伊豆の海に慣れ親しんだからか、そういえば日本海とか津軽海峡など北のモノトーンの険しい海かな?というイメージが思い浮かびました。
考えてみると、ベートーヴェンにしてもスクリャービンにしても、自然を描いたとされる音楽は自分という主観を通した思念が強く出るのだと思います。
いわゆる西洋的な自然観に裏打ちされているわけです。
ところでこのピアニスト女史、衣装がクラシカルで美しいですね。
黒いドレスでニットのレースの袖になっているところがまた上品で良いと思いました。
クラシック音楽の演奏スタイルは貴族的な品の良いものが好みです。
一方。月光ソナタで思い出して動画を見てみましたが、この彼女の衣装のスタイルは乗馬ファッションの感じですね。
これまた18~9世紀風という印象。
こういう衣装の遊びをやらせると、やはり欧米人にはかなわないですね・・・歴史と伝統の違いが如実に出ます。
このように遊び心のコンセプトがしっかりあって雰囲気を出せる、という面では当たり前ですがクラシックの特にロマン派以前の音楽は、もう明快に伝統芸術なんだという考えを強く持ちます。
ところで、このプレスト楽章だけをトリミングした動画が別に上がっていますが、演奏批判の嵐がすごいですね。
どうして悪いのか?私にはわかりません。
自分が聴いた演奏が一番良いと思っている人々が多いのが音楽愛好家(スノッブ)の世界なのでしょうか?
私は幸か不幸か?わかりませんが、愛好家ではないようです。
一昔前は、このような様々な演奏家の演奏に接することはほぼ不可能でした。
ネットで様々な演奏家の演奏に遭遇できる時代に生まれて良かったと思います。