声楽への手始めから
今回から4回くらいで「声楽」というものについて、思っていることを書き綴りたいと思います。
手始めに自身が声楽家になった経緯を書くと今回のテーマが理解しやすいだろう、と考え音大入学時のことを書いてみました。
もとより音大に入った理由は演奏家になるためではなく、学校の音楽教師になるためでした。
現役ではなかったこともあり、とにかく卒業して定期的な収入が欲しかった。
しかしピアノの技術も未熟だったこともあり、最終的に声楽科を選びました。
そんな経歴もあり、それまで声楽のコンサートに行ったり録音を聴いた経験がほとんどなかったのです。
入学後、勉強のためレコードを聴いたり演奏会に行きました。
しかしその歌声や音楽に違和感を感じることが多かった。
器楽による演奏で感じられた音楽美を、声楽の歌声からなかなか感じられなかったのです。
ただ、一回だけ入学受験講座のレッスンで、先生がレコードで聞かせてくれたカッチーニのマドリガーレはとても良かった。
軽快なイタリア語と歌声がとても魅力的だったことをよく覚えています。
今にして思えば、そのまま古楽の世界に行くべきだった、と正直思ったくらいです。
ただ、入学後フランス音楽研究会というサークルに入り、村田健司先生と出会えたことが今の自分につながっていると確信しています。
それくらい先生からの影響が大きかった。
次回は違和感が解ける理由について…
続く