2009年11月7日アトリエムジカC発表会昼の部の講評
昼の部は、初出演の方からベテランも交えて幅のあるコンサートになったと思います。
それぞれの課題が良く見えたし、また精進された努力の跡が明快でした。
皆さんかなり大変な想いで勉強されていましたが、それだけのことはあると確信しました。
ここのホールはレッスン室で歌うのと勝手が違いますが、このくらいの大きさの小屋を標準に考えて、これからも練磨されてください。
皆さんお疲れ様でした、そしておめでとうございました。
良く勉強されたとみえて、安定した演奏を披露されました。
発声に関しては、このところ胸声と頭声の開発の行き来で、迷うこともあったかと思いますが、両者が少しずつ繋がって来たと感じられるような歌声になりました。
直前のレッスンと、また当日のGPでも、胸声の積極的な使用を勧めました。 まだ完璧には行きませんが、発声ではもう少しこの路線を進めて欲しいと思います。
印象的だったのは、「バラ、百合、鳩」が良かったです。声、言葉、リズム感、などバランスが良かった。
後はシューベルトの「凍った涙」歌らしい歌になり、感動しました。
おめでとうございました。
イタリア古典のO leggiadri occhi belliは、声もブレスも安定して、とても良い演奏になりました。
声の力もあるし、音色も良かったです。
発声としては、高く当てて細く綺麗に出す所に、彼女の声に対する趣味が感じられました。
メサイヤのアリア2曲は、1曲目の出だしから、喉が全般に高くなり支えが弱くなった点が惜しいです。
上がっていたのかもしれません。
喉の脱力を気にしすぎると、かえって力が使えなくなりますので、適度に下顎を使ったり、顎を引いたり、口の奥をひろげる力をもっと意識すると良いのではないか?と思います。
これからも基礎を大切に、精進されてください。
おめでとうございました。
今回、スペイン歌曲は明るい声で綺麗に歌えたな、良かった・・と思いました。
「からたちの花」は、苦手意識もあり発声に気を取られてしまいましたが、レッスンでやったことはほぼ実現出来ていたと思います。
発声が思うように行かない時は、声に抵抗しても、どうにもなりませんので、良い意味で適当にやることも必要です。
開き直って適当にやることでリラックスして良い結果が出たりもするのです。
モーツアルトのアリアDove sonoは、敢闘賞!でしょう。 調子の悪さを少し残していましたが、もっと落ち着ければ更に良い成果を残せたと思います。
頭声はどうやって出すのか?という課題は、とても重要なことなので、姿勢、ブレス、発音の仕方、という
3つの重要なポイントをもう一回しっかりさらい直してほしいと思います。
おめでとうございました。
少ないレッスンで、初体験のフランス歌曲とシャンソン、良く歌ってくれました。
経験はあるので安定した演奏でしたが、フランス語の歌詞がちょっと怪しくなったのが、惜しいです。
それから声は、もっともっと出せる人と思いますが、恐らくもっと高域が伸びるのだと思います。
「夢のあとに」は、なるべくモチーフのメロディをひと息で歌えることを目標にしてください。 プーランクの「海に続く道」は、雰囲気は良かったです。
中低音の響きをもっと高くしっかり集めて響かせられると良いですね。
これからも、ぜひフランス歌曲はアリアに挑戦してほしいです。
おめでとうございました。
彼も少ないレッスンと合わせで、見事に歌ってくれました。
ヘンデルはとても素晴らしいテノールへの成長を見せてくれました。
ラモーのピグマリオンは、まだ音域が高いかな?という印象が残ります。
もう少し今の声、1点Aくらいまでの発声の安定を図ってください。
おめでとうございました。
今回の本番は素晴らしかったです。
モーツアルトのアリアは、ほぼ教えた通りの出来でした。
一か所、メリスマの入りのリズム感で、惜しいところがありましたが、無難にこなして事無きを得ました。
声が無理なく、しかし良く響く彼女の声の美点が良く出ました。
後は、ちょっとした細かい音符の扱いで、声の響きやピッチがぞんざいになってしまう点が、惜しいです。日本歌曲の「すてきな春に」は、伴奏の力強さにも助けられて爽快な演奏が出来ました。
今後も、発声は勿論のこと、細かい発音やリズムの細部の煮詰めに至るまで大切にして譜読み、練習をされるようにしてください。
おめでとうございました。
本番直前の2回くらいのレッスンで、とても良い声のポジションを掴んでくれました。
中低音~高音まで満遍なく良い響きで歌えています。
また、喉が良く開くようになって来ましたね。特にOの母音に響きに美点が出て来ました。
ロッシーニの「約束」が一押しでした。非常に滑らかで優雅な歌になったと思いました。
モーツアルトのエルヴィラのアリアは、良く歌えましたが、更に深みのある声を目指して下さい。
クロリスはフランス語は綺麗に歌えました。
これからますます楽しみです。
おめでとうございました。
期待に応えてくれた、美しい声楽演奏になったと思います。
1曲目のMezza notteは、タイトル通りの夜の静けさの中のドラマを声が表現出来ていました。
彼女の中高音は、共鳴が良く乗った声の響きがホールの隅々まで満たされました。
リゴレットのCaro nomeは、典雅なこのアリアの静かな情熱と落ち着きが良く出せていたと思います。
カデンツの最高音域は安定していましたが、もう少し芯が欲しいと思いました。
発声を大切に扱うことはとても大事なことですが、一方で思い切りの良さを利用した高音発声も開発してください。
そういう面が高音発声の醍醐味にもなるからです。
練習からGPを通して、本番が一番バランスの良い状態だったと思います。
ピアノの音楽と声の音楽のバランスがとても良かったと思います。
減点のない演奏で、また同時に声の響きの追及も良く出来ていたと感じさせられました。
明るく歌うという表現の問題は、発声上での声のポジションとは関係のないことなので、基本的にはポジションは低くリラックス出来ると
更に声量が増し響きも余裕が出来るようになると思います。
「ひそやかに」が3曲中、ピアノと歌のバランスがベストでした。 「それは恍惚に」はテンポ感があと一歩。
「マンドリン」は綺麗に仕上がりました。
おめでとうございました。