2010年6月5日アトリエムジカC夜の部の講評

皆さん、お疲れ様でした。

夜の部は、新しい方よりも、ベテラン勢が多いプログラムとなり、総じてレベルの高いコンサートになった、と思います。

各人の課題が少し改善されたり、進歩が見られることが、指導するものとしての喜びでした。

皆さんの熱心さや、課題を乗り越えようとする一所懸命さが、見る者、聞く者の心を熱くしてくれたと思います。

本当に平均点の高い発表会でした。

今後は、もっと自信を持って自分の歌をお知り合いや、職場の方、ご友人達にも紹介して下さい。

時間のかかる根気の要ることですが、アマチュアの声楽家のコンサートが一般に拡がることが、声楽の良さが世間に認知されることに

つながると思います。

次のチャンスにはぜひともお客様をたくさん呼んで、盛会にしようではありませんか!

どうか、よろしくお願いします。


OM

前回、とても緊張して上がってしまったことから考え、これまでの、練習した成果が上がりました。

緊張しやすいタイプですが、発声を覚えてきたために、緊張の中でも、やるべきことをやる、という処理能力が上がってきたからでしょう。

今後も、発声の方法を良く覚えてください。そのことで、本番の緊張がなくなってくると思います。
特にラモーの「恋する鶯、わたしたちの声に答えて」など、彼女の苦手の中低音が、ようやく当るようになって来ました。

「オランピアのシャンソン」は、2点bの声が良くなりましたね。後は、更に超高音域の声に活力が欲しいです。具体的には、腕を使うことを逆に利用すると良いでしょう。

腕を少し楽に上げて、胸を広くするような姿勢を取りながら歌ったり、口の開け方も、もっと積極的に使えるようになると、
喉は更に楽になりますし、高音も自由になってくると思います。

発声は、今こそ大切に勉強を重ねてください。

おめでとうございました。


SA

シューマンの「女の愛と生涯」から、最初の4曲。

難しさはありましたが、ほとんどレッスン時の良い状態を再現出来ましたので、教えるものとしては、ほっとしました。

声としては、芯がしっかりして、より通る声になってきました。

また、低音は厳しいところが残るけれども、これも以前よりは改善され、通る声になってきました。

全体的に、書かれている音楽が判る演奏が出来るようになった、ということは大きな進歩、と思います。

今後は、やはり口をもっと自由に開けて発声出来るようになれば、声質も発音も大きく進歩すると思います。

おめでとうございました。

(彼女だけ、本番写真がとてもシャッターぶれが酷かったので、ビデオのキャプチャー写真を使わせて頂きました。

画像の解像度が低く、大変申し訳ありません)


SY

「旅への誘い」は、レッスンで指摘したテンポが少し軽やかになり、この音楽のフランス歌曲らしさが出せた、と感じました。

ちょっとしたテンポの変化で、同じ曲が変化するので、答えは一つではないかもしれませんが、その時々で最適なものをこれからも探してください。

ルクーの「夜想曲は、歌声としては良い点数が付けられますが、歌詞が不明瞭だったことが、とても惜しかった。

決して適当に読んでいるわけではないですが、暗譜が出来ていないため、結果的に歌が不明瞭になりました。

声楽的なレベルは高いために、逆にその点が惜しいと思わされる演奏になりました。

特にこの曲は、フランス語のリズム感や語感が、音楽の美しさを倍加させるように書いてありますので。

ともあれ、全体に綺麗にまとめられたと思います。

おめでとうございました。

SM

今回、声がかなり良く出るようになったな、という印象が強かったです。

その分、胸声成分の強い声で、ピッチがやや引きずる傾向があったかもしれません。

ただ、良い声なので、旋律線のレガートが、レッスンでやったように、もう少し出せると良いです。

リズムを歌で外に表さないで、線を綺麗に紡ぎだすことだけに集中すること。

モーツアルトは、低音が良くなりましたし、高音の声も細く綺麗に出せたと思います。

日本歌曲は、これも低音が厳しい曲でしたが、レッスン時に比べても良く響く声になりました。

ただ、出だしの歌詞が不明瞭になったのが惜しかったです。

全体的には平均的に安定した歌になったと思います。

おめでとうございました。


TK

パミーナ、ジュリエット、いずれも、レッスンで練習した通りか、それ以上の結果を出せたと思います。

今後、また取り上げた時に、これらの曲が持っている意味を更に理解出来るようになっているでしょう。

そうなったときに、本当の素晴らしい演奏になるだろう、ということを予感させてくれる出来でした。

このところ、声の練習に時間をかけて来ました。

今回の本番は、中低音の声量の増加と高音の声質の鋭さが、成果になって出てきたと感じました。

ただ、所々で以前の抜けたような声がまだ残っています。

本人が意識出来ていたかどうか?

更に、その点を今後は煮詰めて行きたいと思いました。

おめでとうございました。

NA

今回の曲は、彼女の声には難しい中低音ばかり、むしろメゾが歌ってもおかしくない作品への挑戦でした。

その甲斐あってか、良く通る中低音の声を手に入れたと思います。どの曲を取っても響きは良く通っていました。

初回なので、まだニュアンスや、ピアノとのアンサンブルに生硬い部分が残りましたが、それぞれの曲の良さは充分

表現出来ていました。続けて、残り4曲も仕上げて、全曲の披露も期待しています。

おめでとうございました。