10月3日土曜日、1週遅れて2回目を終えることが出来ました。
前回に引き続き、今回も生徒さんたちの熱演で良いコンサートになりました。
これは決して自画自賛などではなく、自分の長い経験から見ても、アマチュアコンサートとして出色のコンサートだったと断言出来ます。
前回は、オペラアリアが多数を占めたプログラムだったのに対して、今回はアリアは1曲だけでした。
また、日本語の歌が多かったのが特徴です。
また日本語の歌も、いわゆる芸術歌曲ではなく、劇中歌や集会などで歌われた歌も入っていたからです。
今回のコンサートを聴いて意を強くしたのは、声楽はアカデミックな「芸術歌曲」に限らなくてはいけないという思い込みは無用ということでした。
まず、歌ありきです。
そして、その演奏はマイクを使わないことと伴奏楽器もピアノを中心としたアナログ楽器であること。
という条件だけで十分ではないでしょうか?
このような歌を、表面上は目立たないが、実はしっかりした訓練を経た歌手がマイクを使わないで美しく歌う。
これだけで、声楽の演奏として充分成り立つのではないかと思いました。
特に今回のホールであるアコスタジオは、このような歌にはぴったりのホールでした。
声を張らなくても通る声であれば、十分音楽として成り立つと思います。
4人の声も、みなこの条件を備えていました。
指導者として、また一声楽家として、大きな発見を得られたコンサートとなりました。
さて、今回は撮影した動画を、各自ではなく、前半と後半の2本のyoutube動画にまとめさせてもらいました。
前半と後半の2本に分けましたので、それぞれ動画のリンクをクリックすると、youtubeのサイトの該当動画に飛びます。
そして、動画の下の説明文の箇所にプログラム順に開始時の秒分が表示されていますので、そこをクリックすると、該当プログラムに飛べます。
コンサート前半 https://www.youtube.com/watch?v=B0Pvalsxyok
コンサート後半 https://www.youtube.com/watch?v=kIflMZTfDJg
指導者からの一言
NM
今回は、彼女の発声上の課題の克服が感じられたことが、まず強く印象に残りました。
そしてそれは、単に発声法が良くなったという技術向上の印象以上に、歌う真実味を感じることが出来た点が、素晴らしかったのです。
リストのロマン派色濃い歌曲を、いぶし銀の豪華な美しさで演奏出来ました。
また、プーランクの特に「平和の祈り」の歌の集中と、日本歌曲の山田耕筰の歌曲の歌詞を歌うことへの集中は、素晴らしかったです。
発声上の具体的な課題の克服は、更に進めて行ってください。今回の結果が更に素晴らしくなる可能性につながるでしょう。
AS
このところ、発声上の課題克服への努力、実を結びつつあることを感じられる演奏でした。
4人の中では、発声的にはもっとも声が良く響いていたと思います。
また、いつものことですが、お客様に対するサービス精神が旺盛であることは素晴らしいと思います。
何より、演奏を楽しんでいる様子が感じられることは素晴らしいことでしょう。
今後の課題は、歌声を響かせるという視点と共に、歌詞の母音の響きを、どのようにメロディのフレージングに活かすか?という点にも注意を向けて行ってください。
FT
日本語の歌を歌うことの喜びを、改めて声楽という趣味の中で強く感じたようでした。
発声技術という側面は確かに大きいですが、それでも人はなぜ歌うのか?というモチヴェーションは歌詞を歌うという意味に強い力があることは間違いありません。
何より確信をもって歌うということは大きいです。
今回、本人もそのことに得心がいったのではないでしょうか?
トスティなどのイタリア歌曲やオペラアリアへの挑戦のための発声法の会得も、課題として残しつつ、大いに好きな歌を摸索し歌い続けて行ってください。