11月18日のジョイントコンサート「4つの声」

11月18日の日曜日は、10月28日に引き続き、4名のメンバーでのジョイントコンサートでした。
お客さまは40名以上、ほぼ満席のアコスタジオになりました。

今回のコンサート、プログラムが盛りだくさんで、2時間の持ち時間、ぎりぎりでした。
終了時間が、21時ちょうど!という具合です。
しかしながら、実に陰影に富んだプログラムで、こちらは退屈しませんでしたし、お客さまもじっと聞き入っていました。
皆さんの一所懸命が結実したコンサートでした。その努力と一所懸命に敬意を表します。

講評ですが、もし多少耳を持っていると自負するお客さんがケチをつけるとするなら(笑)と云うイメージで以下短くまとめました。
出演した皆さんにとって、今後の精進のきっかけになれば、と願っております。

各人の演奏の感想

TK  HA  MT  YC

動画の後半部分で、MTさんの日本歌曲の一曲を許可を得て割愛してあります。あらかじめご了承ください。

前半

後半

TK

レッスン時から、相当に努力されていることは判っていましたが、本番で最善の結果に結びついたと思います。
演奏に対する集中力、それは発声に対する集中力、自分の身体への集中力などが素晴らしかったのです。
レッスンで教えた通り忠実に実行してくれました。その意味で、教えたものとして言うべきことはありません。良くやったと思います。
1点だけ言いたいことは、曲間で頻繁に後ろを向くのは、よほどの意味があるか、あるいはそうする表現意図が明快にある場合以外は、避けたほうが良いと思います。
すべてをお客様に見せる覚悟でステージに臨んで下さい。
また、次回のコンサートを楽しみに待っています。
おめでとうございました。

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HA

彼女らしい楽しく、ホスピタリティの高く、華やかなステージだったと思います。
これは彼女の持つ大きな資質です。
この本態的に持っている素質が、声にもステージングにも活かされてレベルの高いステージを成立させたのだと思います。
ただ惜しいなと思ったのは、暗譜が不確実な曲があり、それがために声が不安定だったところが散見されました。
今後、この点をより大切にされ、発声を更に高めてほしいと感じることがありました。
あと、オランピアのシャンソンの演出ですが、やや動きが多すぎると感じました。もう少し動かないでじっとしている部分もあった方が、逆に動きが活きると思います。
今後のさらなる精進を期待しています。
おめでとうございました。

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MT

彼の自分の音楽性を信じる精神的な力強さや純粋さを、演奏から感じ取ることが出来ました。
これが演奏の原点、歌い手の原点なのではないか?と演奏を聴きながら想いを巡らしました。
個人的にはクイルターと日本歌曲の一部にそのような面を感じ、感動いたしました。
暗譜や声に関しては、大過ない演奏でしたが、発声的には中高音~高音の発声時に、もう少し喉が開くと良いな、と思いました。
そのことで弱声発声が安定しますし、息の出をコントロール出来るため、結果的に美しいビブラートがついて幅のある表現が出来るようになるでしょう。
その点も今後研究されると更に素晴らしいと思います。
次回の成果を楽しみにしています。
おめでとうございました。

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YC


椿姫のアリアは大きなホールで聴きたい、と思いました。彼女の出来の中で100点満点とは言えないですが、改めて、良い発声とそれがゆえの冷静な演奏能力に感心しました。
演奏表現としては、ぎりぎりまで苦労したグノーのJe veux vivreが、本番が最高の出来となり、指導者としてはとても喜んでいます。
声の課題は、アリアやイタリア歌曲では、素晴らしい高音がありますので、中低音の発声にもう少し深みのある響きが出せればバランスが取れて良いだろうな、と思いました。
逆に、日本歌曲は明朗な発音、明るい声の響きで日本語母音の自然さが出ていたと思います。
また、「花の街」の構成力は良く活きていました。3番の終わり方が、とても美しかったです。
また今後のさらなる精進を願ってます。
おめでとうございました。

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