音楽が好き、歌が好きっていう感情は、直感的なことに始まるわけですけど、それがどう良いのか?
自分でその直感をいつもアナライズしてみたくなる癖があります。
で、前回書いたジョン・レノンのJuliaです。
最初に聞いた直感は、柔らかくてソフトフォーカスに包まれた長い髪を持つ美しい女性でした。
ジュリアっていう名前です。
それは一葉の写真のイメージであり、セピア色に古ぼけていて、そこから過去のことを思い出すノスタルジーにつながるわけです。
そして、歌を良く聴いていくと、中間部で短調に転調するわけですね。
歌詞を紐解くと、以下のように、彼女の髪は漂う空のようで、日の光にきらきらとあるいはふわふわと輝く、ということを言っているわけです。
でも、なぜ短調なんだろう?と思うわけです。
それにしても、ShimmeringとGlimmeringという語感を並べたところに、とてつもない妙味が感じられるのが詩の非凡な所だし、そこにこのメロディがはまっているところが、素晴らしいと思うのです。
そして極めつけは、今なら普通のことだけど多重録音の技術でJuliaと終わる最後のAのところに次のフレーズのJuがかぶさるようになっているところです。
普通のアナログな歌なら、1人で歌うわけだから絶対にこういうことは出来ないですね。
この効果は、1人の人格の中にあたかも2人がいて、時間的な重なりが見えることで
普通の歌にはない、複層的な心理みたいなものが、劇的に表れる、と言ったらおおげさですかね?
とてもモダンであるがゆえに、とてもポエティックな歌だと思います。
Half of what I say is meaningless
But I say it just to reach you, Julia
Julia, Julia, ocean child, calls me
So I sing a song of love, Julia
Julia, seashell eyes, windy smile, calls me
So I sing a song of love, Julia
Her hair of floating sky is shimmering, glimmering
In the sun
Julia, Julia, morning moon, touch me
So I sing a song of love, Julia
When I cannot sing my heart
I can only speak my mind, Julia
Julia, sleeping sand, silent cloud, touch me
So I sing a song of love, Julia
Calls me
So I sing a song of love for Julia, Julia, Julia
Juliaについて
- 更新日:
- 公開日: