新型コロナウィルスの流行になって2年近くになったせいか?
以前に比べて非活動的生活が長くなったせいか?
以前にもまして年齢を感じている。

それは昔の記憶が蘇ることが多くなったことから感じること。
それも子供の頃の思い出だ。

子供時代は昭和真っ盛りの30年代。
夕方暗くなってくると、どこからともなく物悲しいような笛の音が聞こえてくるのだった。
その音は何とも恐ろしい、この世の物とも思われない不気味な響きだった。

これが恐ろしくて家の中で怖さをこらえ、ただじっとしていたことをよく覚えてる。
だが、後年小学校の高学年くらいだから40年代に入ってからは、その正体が判り怖いことはなくなった。

この笛の音の正体、その当時は按摩といって視覚障がいの方のマッサージ業を総称していた。
按摩さんが通りを歩きながら笛を吹くことで、自分の存在を知らしめていたというわけ。
つまり営業。
私が見た方は、丸いロイド眼鏡でなぜか?青いサングラスだった。片手に杖を持って片手に笛を持っていた。

この笛の音のオリジナルは江戸中期だそうだが、調べると男笛(おぶえ)女笛(めぶえ)の2種類だったとか。
男笛は強い揉み方で、女笛は優しい揉み方という区別になっていたとか。

現在は時代劇の中でしか聞くことが出来ないが、今でも子供の時に聴いた唸り音の混ざった2音によるオクターブの音色は恐ろしい記憶として蘇ってくる。