ジョアン・ジルベルトとカエタノ・ヴェローゾが共演する
Bahia com Hという曲です。
ジョアンの日本公演では、何度も歌っていた曲でしたね。
言葉がとても美しく感じられる音楽。
言葉と音楽が共存して美しい、と感じられることは、もう歌としては最高の栄誉ではないか、と思うのです。
男性の歌い手に男性の作った音楽ですが、イメージは女性的で柔らかく優雅。
しかしながら、最後まで聞いてください!
繰り返されるボサノヴァのリズムが次第に熱をこもって、最後には胸がすくような気持で終わりますよ。
音楽の美しさとか、その妙と言うのは、まったく素晴らしいものですね。
ぼくはこういう素晴らしい音楽、そしてプレイヤーと同時代に生きていることを本当に誇りに思います。
ジョアン・ジルベルトの音楽は、ジャンルを超えて美しいもので、そのレベルはすでに芸術の領域と思います。
100年も経てば、必ず歴史に残る人でしょう。
自分がライフワークにしているフォーレやプーランクなどの歌曲と比較するのもおかしな話ですが、
ジャンルが違っても、自分にはまったく同等の価値があります。
音楽というのは、その音楽が作られた世界を表しているわけで、こういう豊かな世界を表現している音楽を作り出した、国、文化、言語、その国の人々をうらやましく思います。
そんなところから、たとえば食べ物はどんな味か?味わってみたり、言葉を勉強したりして、他国文化の理解が始まるわけです。
面倒くさいのですが、そこまでやらないと、理解は深まりません。
面倒くさいですが、そんなところから他者理解が始まりますので、これは人間が成熟するには必要なことだ、と思います。
というか、成熟しないといけないのですよ人は・・・
ジョアン・ジルベルトに想う
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