子供の領分は、ドビュッシーの愛娘「シューシュー」のために作った作品です。
シューマンの「子供の情景」に倣ったのでしょうか。
この曲、どれも好きですが「人形のセレナーデ」は、本当にフランス風にナイーブな和音の味わいが好きでした。
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また、ゴリウォークのケークウォークも、リズム感と和音のダイナミックな楽しさがありました。
良く出来た曲です。
全6曲中、どうしても弾き切れなかったのが「雪は踊っている」でした。
この譜面の中で、左手が8分音符を二重に弾いている上を3連符のメロディーを叩くところ。
今なら左手の8分音符の重なりは、16分音符と思って弾けるけど、あの頃はそのことが良く判らずに、
四苦八苦していた(笑)
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ピアノを勉強し始めて、音大に入れる程度弾けるようになって、最後の到達レベルがここでしょう。
ここで、私のピアノのレベル向上は終わりました(笑)
しかし、まともに弾けないまでも、色々な曲を弾いたものです。
おかげで、声楽の譜読みに苦労せずに済んだものです。
ラヴェルやドビュッシーなど、細かい音符や割り切れない連符が多量にある譜面や、逆に長い音符で書かれた譜面などなど、
ピアノで弾きながら、ずいぶんと勉強しました。
ピアノに対する思いは、煎じつめれば音だったのだ、と思います。
どういう音、がするのか?
ピアノが奏でる音に、魅了されていました。
音楽、というデザインに描かれた一つの音を弾くと、ただの音が万感の思いを込められて伝わって来ました。
ピアノの和音の美しさなんて、自身で弾かなければ絶対に判らない、と云い切れます。
そんな観点から、次回はフォーレの伴奏について書いてみたいと思います。