企業のCMを見ていると、あなたのお手伝い、というレトリックの多用が目立ちますね。
さしづめぼくの仕事だったら、あなたの声楽道、精進のお手伝いいたしますよ~、と猫撫で声で言うのでしょうか?笑
さて、つらつら思うに・・・
何の世界でもそうですが、例えば声楽一つ取っても、分業化というのか細分化というのか?
ルネサンス、バロック、ロマン派、ドイツロマン派、ロシア歌曲、フランス歌曲にオペラ!日本歌曲もそうですし、現代音楽に・・・
終いにはバッハの専門家、ドビュッシー?はいるのかな?笑
作曲家の専門も出来るくらい。
それだけ、専門的に勉強している人が増えたし、その専門で留学する人もとても増えた、と言うことも事実ですが、あまりに細分化されて専門化されることが、果たしてアマチュアの楽しみにどれくらい良いことなのか?
というのは疑問に思います。
実は僕自身がマニュアル嫌いでして、とにかく手にとって独学でも金釘流でも何でもやってみること、から始めたい性格だったからかもしれません。
だって音楽なんて、講釈やうんちく垂れてる暇があったら、やってみたらいいじゃん!ということでしょう。
世の中には講釈から始めないと気がすまない人もいらっしゃるので、一概にはいえませんが、先ずは理屈ぬきでやってみること、から始めてみませんか?
音楽というのは、細かい知識的な面も必要なところはありますが、実は音を判るか判らないか?という一本筋が通っていることがありまして、それが、一番大切だったりします。
音がわかるって、あまりに抽象的だから、言い換えると音楽が判る、ということです。
例えば、建築物を見て、良い建築か悪い建築か?を物差しや水準器を持たないでも判る人のことを職人ではないか?と思いますが、私は自身のことを、そういう
職人だと思って日々精進しているわけです。
職人が物差しを持たないでも判るのは、見るところが決まっているからであって、例えばコロニアル様式か?コンクリート打ちっぱなしか?軸組み工法の木造建築か?という違いはこの際どうでも良い。
全体の形を見てバランスが判れば、すべてわかるわけです。
もちろん、良い建物でも雨漏りはするかもしれません。
しかし、地震が来た時にぐしゃっと潰れても、雨漏りしない方が良いと思いますか?
思わないでしょう?
そういう大まかだけど、とても大切なことが判るか判らないか?ということを言いたいわけです。
細かい学問的な知識を満たしたければ、大学のオープンカレッジや、カルチュアセンターも花盛りではないですか?
そういうところに行けば良いのです。
私がしたいこと、教えたいことは、もっと土台の根本なんです。あるいはその根本が大切だということを教えたいわけです。
だからバッハだろうと、シューベルトだろうと、フォーレだろうと、パーセルだろうと、モンテヴェルディだろうと教えるわけです。
そんな私を理解してくださるならいくらでもお手伝い出来るのですが~。