FY
発声練習では、ドミソ、ドレミファソ、最後にドミソドと1オクターブまで拡げましたが、発声練習の声は声域も拡がり安定して来ました。
特に良かったのが、2点Fから上のチェンジした声でした。
少し開いた声ですが、響きが奥で共鳴がついているため、支えのある声の響きになっています。
この発声で慣れてある程度歌いこみながら、少しずつスピントな声質も追求できるでしょう。
チェンジした下の低音の声も滑らかになり、上の声との段差がほとんど目立たなくなりました。
中低音は、こもらないようにリラックスした良い脱力を与えるため、あえて口をあまり開けないように指示しました。
そのため、倍音のある明るい響きになりましたが、やや当り過ぎの響きにもなりました。
適度に口を開けてソフトになるように、調節出来るようになってください。
発声に関する感覚は良いと思います。
声の調子が良いので、Nel cor piu non mi sentoを通して見ました。
懸案だった、最後の低音が滑らかに出せたので合格でした。
この曲の高音も綺麗に出せていました。
コンコーネ50番の15番を練習しました。
本人の弁によればリズムが難しいとのことでしたが、手拍子で4拍子をたたきながら歌うことで、明快になり解決しました。
また、譜面上に4拍の切れ目を書き入れることで、4拍が明快になったことも理解を進めたと思います。
リズムは何となくやってもだめです。
理論と実行のバランスを取ること。そのために、譜面の書き込みとビートを手拍子で確認することが大切なのです。
どんな難しいリズムも、この基本が判っていれば、ほとんど理解実行出来るようになるでしょう。
今日はLascia ch’io piangaを持って来たので、譜読みをしました。
レシタティーヴォは、コンコーネでやったようにリズム読みのやり方を練習しました。
リズムが明快になってから、歌詞を付けてリズムで読んで下さい。
それが明快になってから歌って下さい。
それから、また次回やりますが、イタリア語のアクセントも良く把握することで、レシタティーヴォの語り口が活きて来るでしょう。
アリア部は、高音の声は綺麗にそつなくまとまった響きで歌えていました。この曲調に相応しいと思えました。
中低音は、少し重心を落として歌うと、落ち着いた声になるように思います。
モーツアルトの歌曲。Dans un bois solitaire et sombre
フランス語で歌ってもらいました。
慣れないフランス語なので、声がおろそかになってしまいましたが、歌いこみが進めば、なかなか良い響きで聴けそうで楽しみです。
WM
今日は声の練習に徹しました。
こちらにも徐々に慣れてきて下さっているし、理解も進んで来たかと思います。
声は、安定したポジションを持っていますが、基本的に少し締まっている、と云うのでしょうか。
声のミニチュア、と云いましたが、持っている声帯の半分くらいで歌う感じ、イメージがあります。
これを何とか改善したいと思っています。
喉をリラックスさせることが大前提です。
喉のリラックスとは、イコール声の出し始めのことになります。
リラックスのためには声自体を胸辺りに軽く楽に当てるように出し始めること。
あるいはみぞおち辺りから出し始める感覚。
これらの低い重心を意識出来る声の出し始めが大事です。
これが決まれば、あとはフレーズを歌う中で、特に音程の跳躍で声が切り替わらないようにする意識です。
その前にブレスの方法ですが、喉が緊張するのはブレスが高く、胸式に近い感じだからと思います。
これは、ある意味、高音を出すには出し易い呼吸かもしれませんが、声帯全体を使いきる喉のフォームが作り難いため、
落ち着いた中低音の声にならないのです。
ブレスは一所懸命吸わない、あるいは急いで吸わないという条件付きで、極力お腹の筋肉を使って下さい。
具体的には下腹部を引っ込めながら息を吸うと、胃から腰回りにかけて少し膨らみます。
この膨らみ感と息を吸う実感が確実にリンクすれば文句なしです。
これは慣れるのに時間がかかりますし、慣れないと息が入った実感がないと思いますが、諦めないでトライして下さい。
それから、膨らむ筋肉を利用して、歌う時にその筋肉を更に膨らませるように使って下さい。
常に一定に、というのではなく、特に高音に跳躍する際に一番使うようにすると効果があります。
フレーズの音程跳躍で、声が変わってしまう(喉が上がる)のは、大体がこのお腹が使えてないせいです。
フレーズを歌う過程で、この腹筋を外に拡げて行くように使うことで、喉が上がらない、締まらない発声につながるでしょう。
曲はフォーレの「リディア」「夢のあとに」「この世」
3曲目になったせいもありますが、「この世」は、かなり声が改善され、大人の女性の声になっていました。
その後「夢のあとに」をやり直しましたが、かなり改善されたと感じました。
特にお腹の筋肉を拡げるようにして、フレージングしてもらうと、この曲の最高音域の声が良く伸びました。
良い意味で、息の力と喉の張力のバランスが合うのだと思います。
SM
発声練習は非常に安定した声でした。
低音域の声をミックスしようとする意識があると、やはり中低音は安定します。
今回の発声練習でそのことを実感しました。
低・中・高という3つの声区があるとすると、彼女の場合中の声区がすっ飛んでしまう傾向があります。
特に高音を多用すると、高音の声区から中の声区に戻り難いのです。
中声区というと、何やら難しいですが、下の低音の声区の声をそのまま持ちあげて行けば自然になる、と思って下さい。
ただし、軟口蓋を使った発声が出来ないと地声になってしまうかもしれません。
フォーレの「5月」意外と苦労しました。
付点四分音符+8分音符のリズム形、特に8分音符が走ってしまう箇所があり、これを徹底して治しました。
あとは、発音です。発音は子音発声が苦手だとのことですが、そのことは訓練で解決出来るレベルと思います。
フランス語の発音ですが、歌の歌詞をそのまま読む練習の前に、シラブル(母音)を揃えて、ゆっくり発音する練習も効果的です。
たとえば、puisque mai toute en fleurは、6シラブルになります。
これをpui-sque-mai-tou-teen-fleurとハイフンの部分を少し切ってゆっくり読みます。
ゆっくり読んですらすら読めるようになってから、流して読むことです。
先を焦ったり、要領よくやることは無理です。要領悪く、コツコツと確実に練習して下さい。
発音が確実になると、歌は自ずと楽に良い発声になります。
「トスカーナのセレナーデ」懸案だったリズムは解決出来ていました。
そのため、声のことに専念できたと思います。
この曲、2点Fから上の声の出し方に注意して下さい。
張りたくなりますが、張るのではなく高い声区の声にチェンジさせるようにした方が、後々の低音発声を保護することに有効になると思います。
特にオクターブの跳躍が出て来ますが、気を付けて下さい。
デュパルク「フィディレ」は、ざっと通しましたが、特に大過なく歌えそうでした。
これから練習して行くことは、メロディのリズム感とフランス語の発音です。
テンポがいくつか変化がありますので、息の支えとの関係をみっちりやらないと、フレーズがぐずぐずになります。
ブレスの準備から声の出だしについて、レッスンでは徹底出来ればと思っています。
自宅でフランス語の読みと、リズムのアナライズをしっかり勉強しておいてください。