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ヴィヴァルディ「私はジャスミンの花」
ドナウディ「かぎりなく美しい絵姿」
「小さなカシの木」

発声なしで、冒頭から早いテンポのヴィヴァルディのアリアでしたが、以前より発声が改善されていることを確かに感じることが出来ました。
一方で改善されないことも頑強に残っていて、発声のディテールを治すことの難しさをひしひしと感じたレッスンでもありました。

ディテールというのは、全体があるからディテールが生じるのだ、と考えるならば、たとえば姿勢の基本に立ち返る、ということはとても大事なことだと思いました。
姿勢が悪いならそれを強制的に矯正する、ということは誰でも簡単に出来、効果がありそうです。

強制的に矯正するといえば、どこかに力が入って力んでしまうことも容易に判ることですが、それを嫌っているといつまで経っても治せません。
強制的にやって力が入ったとしても、たとえばお腹が前に出っぱってしまうような立ち方は、矯正すべきでしょう。

理想は、胸が高くそして楽に開いている状態であり、尾てい骨から後頭部が真っすぐの線でつながるような背面の筋の垂直。
これは、顔が当然前に出ていては出来ない姿勢でしょう。
当然ながら、顔を前に出さないためには、顎を引かなければなりません。

この顎を引く姿勢が、彼女の苦手になるため、この点はペンディング状態となります。

もう一点は、手を余計に動かさないことです。
発声を気にするあまり、顔の横で手を振るようなことも、見た目的にも×ですし、恐らく発声上にもマイナスだと思います。

そして、一番大事なのが、目をつぶってしまうことです。
これも徹底的に治してもらいました。
音程が跳躍する時、高音を発声する時です。
絶対に目を閉じないこと。それを徹底するだけで、声が変わりますし、音程が正しくなります。

上記の姿勢の矯正と癖は、簡単に出来て、効果が大きいですから、良く練習されてください。
あとは、歌う際の歌詞の発音、特に子音の発音には、エネルギーを注いでください。

日本の歌の場合は、なんとなくメロディを発声するのではなく、言葉の単語をはっきり意識して発音する癖を付けて下さい。
メロディで言葉を処理するのではなく、言葉がメロディを作りだす、という順番にするくらいで、ちょうど良いのです。
本当は外国語も同じことなのです。
ただ、外国語は言葉の知識を熟知していないと、難しいので、日本語でこのことを徹底しておくと、外国語にも自然に応用が効くだろうと思っています。