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発声練習の声は、中音域でばかに元気の良い声になっていた。
良い声だが、高音が出ないだろうな、と思うと、やはり苦しくなっていた。
喉が冷えていると、中低音が鳴り易い面があるので、注意が必要。
勿論、ある程度鳴らすと、高音も出やすくなるので、一概に中低音で出して悪いとは言えないが、往々にして、中低音で声量が出ると、そのままの声で高音を歌ってしまい、罠にはまるので注意を。
曲はプログラムの変更をして、シューベルト「ます」から。
音域的にも音楽的にも特に問題となることはないが、伴奏合わせでの音楽作りが今の時点では問題なので、指摘するべきことは見つからなかった。
彼が高音へのフレーズの処理云々を言っていたが、発音の関係が大きいので、口先の開け具合を変えずに、声を当てる方向を決めること、というものであった。
後は、水車小屋の1番と7番を練習して、最後に13番を再度練習。
1番は、最後の5番だけをゆったりと歌うことにしたようだ。
このような民謡形式の歌が一番難しいと思う。
ただ歌うだけなら、発声的には難しくないのだが、表現を考えるととてつもない。
男らしくて朴訥な雰囲気は、声のぶっきらぼうさと、楽しさを混ぜたような感じだろうか、それを良く声を出すことで自然に表せれば最高だ。
7番は、高音が結構苦しいはずだが、上手くしのいで、この曲らしい「焦燥感」が表現になっていた。
発音を考えると、あまり急がない方が良いと思う。それよりも、良い声を良く聞かせることの方が大切ではないだろうか?
13番は理想としては、もう少し滑らかで明るい曲でドイツ語の発音を綺麗に歌えれば素晴らしい。
そして、時間があったので、フォーレの歌曲から、リディアやシャイロックのシャンソン、バラなどを歌ってもらった。
歌曲のある種の音域でも、テノールらしい声になっているが、更に滑らかに高音をスムーズに出せるようになって欲しい、と期待している。