KNY
体験レッスンだった。
大柄な方で、声も呼気がしっかりしていた。
自然に歌っていても、声量がある。
喉や口の使い方なども素直で、癖のない発声をしている。
そのために、響きや共鳴、という部分には至っていない発声である。
そして、当然ながら、呼気をコントロールする体の使い方には、至っていない。
ブレスをすると胸が上がって、声を出すと胸がストンと落ちてしまう。
呼気のコントロールが出来ないから、当然、響きを作る状態を保てないという、典型的な支えのない状態。
それで呼気だけの練習だけをした。
ブレス、吸気の方に力を入れると呼気がままならない。
そのため、今はブレスがあまり入らなくても、呼気、歌う方の身体の使い方を先に覚えた方が良いと思う。
それを続けると、自然にブレスも入ってくるからである。
それから、声の響き、共鳴を導き出す口の使い方も練習。
これらの、もっとも基本的なところを練習したが、この基本は、よほど徹底しないと、なかなか身につかないことはご理解いただきたいところ。
発声は、先生によって言い方が違ったり、アタックする方向がまったく違うことが往々にしてある。
従って、必ずしも形どおりである必要はないのだが、目的とするところを良く理解して、練習を着実に積み重ねれば、良い上達は手に入ると思う。
