TF
特に2点G以上の高音発声をかなり練習した。
高音発声への対処を、反射神経的に身体で覚えてもらいたい、と思った。
胸声傾向の強い発声に、頭声発声による音程感を少しでも付けてもらいたいこと。
胸声発声でも音程が出るならば、良いが、2点G以上は難しいであろう。こればかりは練習しかない。
ただ、本人の練習で、2点G以上でファルセットに近い発声がハミングでは出来て来ているので、それがとっかかりになるだろう。
何度も指摘しているが、下顎を下ろして母音発音することが、軟口蓋を上げる発声を難しくしている原因と考えている。
ただ、軟口蓋を使うといっても、喉が上がった発声ということではないことを、くれぐれもご理解願いたい。
そのための姿勢であり、またお腹の使い方、ということになる。
お腹のことは横隔膜を拡げるように声を出していくこと。そのため、ブレスはその拡がりを準備するために、お腹を拡げること。
それから、発声の際に特に高音に行くと目をつぶってしまう癖はなるべくなくそう。
バッハのカンタータ199番のアリア。Wie freudig iset mein Herzでは、中高音から高音にかけてのフレーズで、発音の仕方のせいで
響きが落ちてしまう点を修正。上述の下顎の使い方である。
ほとんど下ろさないように、下顎を手で抑えるか、指をかんで歌ってみることである。
特にフレーズの中でポンと音程が上がるようなところで、音程がはまらない所などは、この下顎を動かさない発声はとても有効である。
そして最後に中田喜直作品「おやすみなさい」こちら、中高音と低音の発声の切り替えが比較的上手く行っている。
4拍子の中の16分音符の6連符の扱いを丁寧に、大切に。最後のハミングは口を開けた方が良いだろう。特に2点Aから2点Cに上がるところは
くれぐれも音程が下がらないように注意してほしい。伸ばすことは息を吐ききるようにお腹を使うことである。
NS
母音で発声練習をしたが、声質はとても良かった。中音域も声かすれがなく、均一した響きの発声が出来ているし、高音も綺麗にチェンジしている。
低音から高音まで綺麗につながっている。
フォーレのLe parfum imperissableから始めた。
最初の通しでは、フランス語のディクションが不明瞭=音楽が不明瞭という印象であった。
声の響きを集めようとし過ぎではないか?
それで、先ずはフランス語の読みから練習した。
私が読んで真似してもらう方式。
教えたことの中で重要なことは、単語一つでも、息を使って勢いで言うこと。
例えば1音節のCoeurであっても、必ず母音の音節には発語する息の勢いがあるべきである。
これがあるとないとの違いが、日本語のカタカナ読みか?そうでないか?という違いに通じることなのでとても重要なことなのである。
そういう語り方、読み方を徹底しないと、真のフランス語語りを歌声として歌えないはず、と考えている。
また、そのことが息を吐く発声と関係する、と考えている。
後は、Fleurの語頭のFlなどは、早すぎても駄目だし遅すぎても駄目。この子音の扱いは、言葉をどうイメージしているか?に因るものなので
言葉の意味から来る語感を大切に考えてほしい。語感というのは、Fleurと発音した際に出てくる音の印象と、意味との兼ね合いである。
オノマトペということ。
Soirを再び練習。
最初は口の使い方が主になった。下顎を下ろさないで発音、発声する方法。
顎を良く引いて、お腹でブレスをすれば喉は適度に良い位置にポジションするから、後は下顎を下ろさないで、上あごだけで歌う。
Voiciという時の最初のシラブルのAを発音する際に、上唇がいかに動くか?それが出来れば、自然に上あごで歌えるであろう。
AやOそして鼻母音の発音発声時に注意を。
これだけでも、十分良い声で歌えるようになったが、念のためお腹周りの確認と練習になった。
お腹を固くしないで歌うのは良いのだが、下腹部が緩い感じで、そのために息をコントロールし難いのではないか?と思った。
おしりの穴を絞めて、とか、下腹部、丹田の辺りをしっかりさせて。
あたかもベルトを締めてなくても締めているようなイメージで立つこと。その状態でブレスをすると、自然に横隔膜が拡がるという感覚。
後は、その横隔膜を拡げるように歌っていくように。