SA

発声練習は、ブレスを入れるそして声を出す際に、胸を拡げるようにして発声、という練習をした。
ブレスを入れる際に、胸を楽に高く拡げるようにして、声を出してからもそのままさらに広げるような意識を持つこと。
この歌う際に胸を拡げるように意識することで、喉の声帯はぴ~んと張って、良い高音が出せるようになるだろう。
もちろん、ファルセットで良いと思わずに出すことは必要な意識だと思う。

後は、低音域の発声。
喉を深くし過ぎないことで、声帯が良く合うように。またピッチと明るさを慮るために、頭部で響く意識を持つこと。
そのために、下あごで発音しないで歌う方法をなるべく身に付けてほしい。

具体的には、Iaiaiaiaという練習で、下あごをあまり降ろさず、また下あごで子音のYaを発音せず、舌を良く動かすこと。
この発声法によって、軟口蓋が自然に上がり開くようになるし、喉も無理なく開く。
後は軟口蓋だけに意識せず、声帯も太く使うために少し胸を意識した当て方をすることで、低音らしさが出せるであろう。

曲は信時潔=与謝野晶子で「いずくにか」判り易い57調の詩と、祝典風の音楽で、歌詞の意味と一見違うスタイルの音楽のように思えるが
悲しさの張りが際立つ表現である。
声は、特に中間のクレッシェンドでは、発声でやった胸を拡げて行くことで、声を綺麗に張って出してほしいと思う。

信時潔=蒲原有明の「茉莉花」を何度か通し、また部分を練習した。
今まで練習した信時作品に比べると、長くドラマティックな作風である。

発声は大切に、開発すべきことが課題としてあるが、また、作品のコンセプトを、少し考えておくことは大切なことではないだろうか?
作曲者が、詩人の何に感興を持ち、音楽をつけたのか?どうして、このような音楽になったのか?
100点の答えは出るべくもないのだが、プレイヤーとしての考えを持つことが、作品を扱う上で、とても大切なことではないだろうか?
歌詞の扱い、子音の出る出ない、ということは、その上で考えれば良いと思った。