SM

母音はIで始めて、同度でIEAとIの響きをAまで持って行くやり方で、Aの響きを密に。
これは、かなり上手くなりました。
あとは、舌が奥に引っ込まないように、むしろIの舌がそのまま残るくらいの感じでAを対処すること。
むしろ、母音の形よりも、常に響きが生じるよう(声帯が当った響きが出るよう)に、癖を付けることです。
その辺りは判ってきていると思いますが・・・

曲はデュパルクの「フローレンスのセレナーデ」から。
リズム読みは、ほぼ良いのですが、中間部のElle s’en dortの最後伸ばして、次のフレーズに入るタイミングが不明。
ピアノ伴奏を聴いてほしいですが、判らない場合は、やはり自分のパートの数え方でしょう。

譜面上にリズムの区別を書く場合、9拍子であれば9つを判る必要がある場合と、3拍子を判らなければならない場合を区別すること。
また9拍子系の場合、8分音符+四分音符。というパターンが頻繁に出ますので、その認識をはっきりさせること、でしょう。

Soupirは、譜読みは出来ていますが、音楽が全体的に不明のようです。
落ち着いてゆったりした音楽を感じて欲しいのですが、それがまだ身に付かないように思えました。
何か歌い急ごうとする印象が最初にありました。

発声とか、リズム感、というのは、ただソルフェージュとして存在するわけではなく、純粋に音楽を感じるところから発するものですから、先ず音楽ありき、というところを大事にしてください。
この曲は決して急いで歌うことはなく、ゆったりと進むリズムの中にこの曲の表現が隠されています。

NM

当初来た頃に比べて、声全体の課題傾向は良くなってきつつあります。
声帯を伸ばすことが少しずつ出来てきている、ということでしょう。
当初から指摘しているように、単純に喉をもっと使う意識ではないでしょうか。
使わないように使わないように歌うと、ますます声帯が伸びずに、開いてしまうでしょう。
声帯は良く伸ばすことによって、間隙も狭まり効率のよい声の響きが出るのだ、とイメージしてください。

声帯を伸ばすことですが、例えば、喉を下げる、あるいは下顎でも良いですが降ろすこと、あるいは顎を引くことだけでも声帯は引っ張られて
中低音は、響きが出てくるでしょう。
また、声を当てる意識も持つことです。

姿勢と声を出す、という2つの要素が働くことで、声帯の働きに拮抗する動きが出て、声帯が伸びる、閉じる、という運動が起きる訳です。
従って、難しく考えずに、姿勢を決めることと喉を意識することが、声帯を正しく使うことの始まりになるのです。
今日はレッスンでやったことは、ほとんどが姿勢や口の開け方からトライした、と言えるでしょう。

曲はフォーレの5つのヴェニスの歌曲からMandoline En sourdine C’est l’extaseの3曲を練習しました。
発音は所々ありました。後はブレスポイントを訂正。
声は、特に中低音の響きを上述の通り、指導して行きました。
声が浅くならないように、また響きがなるべく良く出るように、顔の姿勢と口の開け具合、発音に注意して歌ってください。

HN

発声は、概ね安定した声が習慣づいて来ました。
ただ、姿勢はまだ背中やうなじからの支えが弱く、少し顎を前に出す姿勢は残っています。

これは、背中もあるけど、胸郭を支えて持ち上げる姿勢が弱いせいもあるのではないですか。
全体に顔が前気味になるように思えます。
これは、レッスン後の感想で、レッスン中はこの点はあまり指摘しませんでした。

結果的には声質も音域も安定して来ていますが、喉がやや高い感じの傾向が残っています。
それは、上あごや上唇の使い方は覚えたのですが、今度はそればかりになっているせいでしょう。

顎を引く姿勢を持たないと、喉が安定しない高い場所にあるため、喉の高い声になると思います。
これは、やはり高音に行くほど呼気を強く出さないと出しにくい声になると思います。

これが、Tu lo saiを歌う時の、最初の2点EのTuの声を唐突に強く出してしまう理由になるのです。
顎を良く引いた姿勢を取ると、呼気と声帯の関係がずっと近くなることで、力を入れなくても
瞬時にして、コントロールしやすい声が出てくる、と思ってください。

この点をかなり徹底して練習しました。
喉そのもので当てる練習で、コンパクトにコンコンと扉を軽く叩くようにです。
当て具合を適度にして、良い音程が出れば良いのです。

後は、Sebben crudeleを練習しました。
こちらは、音域も高過ぎず滑らかな声で歌い通せています。
こちらも姿勢で顎が出ないように、また、喉のポジションが高くならないように注意して練習を進めました。

MM

彼女も発声練習の声が安定して、調子が良ければ2オクターブくらいの音域は声質も音程も、共にかなり良い基準に収まるようになって来たと思います。
後は、歌詞を歌うフレーズの歌い方や歌詞のせいで変わってしまう発声をどう対処するか?にかかっているでしょう。

ショーソンの「蜂雀」は、最初の通しでもほぼ良く歌えたと感じました。
後は、発声上のことを言うよりも、むしろ歌詞を歌う、その感情の持ち方ではないでしょうか?

歌は、特に日本人の場合は旋律を情緒的に歌ってしまう傾向が強いですが、そうではなく、歌詞の内容を訴求する力、オーラ、
明快さ、と云うような部分を意識すると、ヨーロッパの音楽、歌になって行くと思います。

モーツアルトのBatti o bel masettoは、口を開けない発声でなるべく細く鋭く当てる、コンパクトに細く稠密な声を目指しましょう。
下顎を下げないで上唇を少し上げると、高く前に当る響きになるポイントを見つけ、そこで歌いましょう。
後は、そのままで高音まで対処すれば、自然に高音になるにつれ、喉が対処してくれるでしょう。

Samson et dalilaは、声で何とかしようと思わず、基本を大切にしました。
胸を開いて高くブレスを入れるようにすること。
その代り喉はしっかりさせて。
声そのもので太く力強くやろうとすると、中低音の声の響きが♭になり、暗くなります。
後は、Waのやoeなどの発音に注意。
概ね開口母音は、上唇をめくるように使って明るく高く響く声を出しましょう。