OM

今日の発声のポイント・・
胸呼吸から脱するように。

腰を意識して深く吸うことで、強く一杯吸うこととは違う。
声の出始めの場所を明快に。みぞおち辺りから出だすこと。

要点は以上です。

これらのことを実行して声の変化を聴いていると、中低音域でも、基本的に声帯が合った声になります。
息漏れのない、ポジションが低いため、声帯が良く伸びている声になっている、と感じられました。
高音はそのまま出して行けば、特に意識する必要は彼女の場合ありません。
自然に高音の声区になってそのまま行けるようです。

恐らく一番効果的なのは声の出し始めのポイントの意識ではないでしょうか?
それから深いブレスポイント。この両者は不可分の関係だと思います。

曲は別宮貞雄の「さくら横丁」から。

やったことは、リズムを正確に歌うことと、母音Aの深さを取ること。
出だしの春のHaの出だしの発声の深さを大切に。
この曲はリズムを正確に歌うだけで、表現内容の80%が出せると思います。

次が「オランピアのシャンソン」
高音や高音へのフレーズよりも、冒頭に続く中音域のメロディ。
中低音の声の矯正と発音がフガフガしないように、明快にはっきり発音する意識を持ってもらいました。

バリエーションについて質問されました。
私が思うのは、同じことを何度もやるのは退屈でしょうが、キムヨナの例ではないですが、確実なテクニックを更に伸ばすことを
考えることが、今のOMさんには大事なことでしょう。
今出来ていることを、更に磨いて盤石なものにしてほしいです。

YT

発声はこのところ安定して来ましたね。
最近の課題は高音と低音のバランスです。
低音はバリトンの良い声と声質を目指しつつ、高音発声を柔軟に対処出来るように、を目標としています。
高音発声の方法は、当初から変わっていません。

なので、単に低音側の発声を意識することになる、ということでしょうか。

彼は喉仏が大きいので、喉の場所が見ていてすぐ判ります。
ブレスで深い所にポジションして良いのですが、前に引き下げ過ぎると音程が出しきれないですから
高音の対処が難しい。かといってほどほどにポジションすると低音がしっかり出ない。
そのバランスが難しかったですが、ようやくバランス出来て来ました。

高音はやはり開けすぎないこと、息で歌わないことです。
横隔膜をどーんと動かさないで、喉のコントロールにひたすら集中することです。
高音は無意識で息を大きく使おうとしてしまいますので、そのことが判るとかなり進歩があると思います。
中低音は楽に押さないで響かせることを大切にしてください。

きょうはOmbra mai fuから始めました。ほぼ問題なく今までの課題をクリア出来ました。
中低音も綺麗になり、出だしのOmbraのクレッシェンドも効いて来ましたし、高音も綺麗。
PiuのUの母音は深く発音しましょう。

Caro mio benは、高音の練習に最適です。予想以上に上手く対処できていました。
低音に戻る際の意識は必要でしょう。

Tu lo saiは、出だしがまだ不安定ですね。突出してしまうか、上ずってしまうか。
やはり息の使い方だと思います。高音ほど少ない息で出そうとイメージする場合、喉をどうするでしょうか?

TuのUの発音もまだ広いと思います。もっと口先を閉じることで、上述の喉の使い方が判るようになると思います。

AC

彼女の声の美点は、広い音域を持っていることと中低音の声質にあるでしょう。
アルトないしはメゾソプラノの声域で声質です。

低音発声は難しく考えずに、「地声」を丁寧に発声すること。
そのことで基本的に声帯の合った良い響きを作ることが出来る基礎になると思います。
ただ、特に変わった発声をするのではなく、単に地声をしっかり使いましょう、ということで練習をしました。

その上の声区は彼女の経験上、もう自然に声が変化して高音の声区に入るので、特に問題はありません。
むしろ下の声区で地声領域を積極的に使うことで、高音も更に良い方向に行く可能性が大きいと思います。

曲はラヴェルの「3つのマラルメの詩」を練習しました。
主に気を付けてもらったことは、ブレスを深く意識することと、声の出る場所を低くすること。
深く意識するためには、ゆっくりすることもありますが、心が静かになっていること、必然的に
リラックスしていることが大切です。

ブレスが自然に深くリラックスできれば喉の準備も自動的に良い状態になります。

この曲集では高音の発声の場合、開いて息を押すと、とてつもなくブレスが足りなくなるでしょう。
むしろ喉を絞めるくらいにして、息で押さないようにすると、ちょうど良いバランスになると思います。
口先もあまり開けすぎない方が上述の発声のためにも有効でしょう。
2曲目の入り、Princesseはポルタメントをかけてください。そのまま一息でHebeまで。
後は、リズムを正確に把握しておくことを練習しておいてください。

3曲目は、譜読みも声も特に言うことはありません。s’interromptの語尾はoの鼻母音で終わりです。
後半はピアノ伴奏がきちんとしないと、正確な譜読みにならないので、ピアノが付いてからの練習となりそうです。
出来ることはリズムをきちっと数えておいて、正確に歌えるようにしておくことです。