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発声練習は地声から始めて上の声区までを軽く練習しました。
声のポイントが高いためでしょうか、少し締まり気味で響きが弱い感じでした。

出来るだけ声の響きを低く、喉の下の部分から出だすようにというイメージを持つと、この傾向は弱まるでしょう。
鼻根とか、頭から出だすようにすると、声が更に緊張して締まりますので、
声は胸に楽に響かせるように、口先や頭を意識しない方が良い声になると思います。
なるべく声のポイントを低く低く、取るように勧めます。

曲はシューマンの「女の愛と生涯」1曲目Seit ich ihn gesehenと2曲目Er,der Herrichste von allenは、とても良く歌えています。
後は、前述の声のポイントがもう少し低めに決まれば言うことはありません。
3曲目は、もう少し音楽と歌詞の内容が表現している、強さと迷いなどの、感情を直截に声にしたいです。
4曲目は、冒頭、低音域の声がこもるので、もう少し明るい声になるよう、声を奥にこもらせない方が表現に適っているでしょう。
5曲目は、まだ練習不足とは思いますが、レガートに声を押さないでフラットに歌えるようにイメージしてください。

全体に歌詞のドイツ語発音がもう少し明瞭に出ても良いと思いました。
それは、発声の仕方と関係があると思います。前述のポイントの低さとリラックスです。
いつも言うことですが、彼女に関しては口をもっと良く動かして発音することも、発声的にも良い方向に行くように思います。

中田喜直の「さくら横丁」は、ドイツ語に比べるとはるかに歌詞が明瞭に聞こえて来ます。
自然な発声が意識できるのでしょう。最後の半音階の練習をしました。2点C~の音程に注意すると、良いと思います。
この曲も発声の基礎的なところで、声のポイントの低さが大きいです。
特に出だしの声は、今の状態だと高過ぎだと思います。
もっと深く、低いポイントを見つけられると、とても色気のあるしっとりした歌の表現につながるでしょう。
声の出だし、春の宵~の「は」の声出しに充分こだわってください。

YT

体調が悪かったようですが、声は出せば出すほど調子を出していました。
全体に声のポジションが高くなるようで、それを高くしないで、どっしりと低く、リラックスして出すことと
喉が開かないように、綺麗に閉じるように声の出し始めを気を付けること、が主眼でした。

あとはやはり高音の声区の出し方になります。大分上手くなりましたが、1点G以上は難しさが残っています。
太い胸声とファルセットの両端の傾向が大きく、中間点が決まらないのでしょう。
この点は、ハミングによる練習を継続して、良いポイント、感覚を見つけられればと思ってます。

Ombra mai fuは上手くなりました。時折Aの響きが抜けますので、注意を。
中低音の声の存在感、響きの良さ、を大切にしてください。
ブレスを軽く深く入れ、声の出だしを腰辺りに感じてください。

Caro mio benは、高音のポイントを意識しないで、バリトンのポイントを基本に考えてください。
それが決まれば、自ずと高音の声は決まるでしょう。高音は、自然に良い所に落ち着く、と考えれば出来るレベルに達していると思います。
開けすぎないで、むしろ閉じて、細く集めるだけで良いのです。

Tu lo saiは、80%くらい良いと思いましたが、まだ後半の最後の部分で、疲れてしまうのか?喉が上がってしまうようです。
ブレスが浅くならないように、最初は時間がかかっても良いので、深く入れるように心がけてください。
それが出来れば、喉が上がらないで声が出せると思います。