YM
グレゴリオ聖歌をグループで歌ってらっしゃるが、歌うに連れて喉が苦しくなる、とのこと。
早速発声練習から声を聴いてみたが、声を抑制し過ぎることで苦しくなっているのだ、と感じました。
聖歌隊の指導者からも、下手に発声を覚えない方が良い、ということも聴かされていることや、長いブレスの要求もあり、
声を出さないように、出さないように、という方向にベクトルが向いてしまい、結果的にそれが
本能的な声の生理に反する方向性になったことが、声を苦しくさせてしまっているのでしょう、と説明しました。
指導者の方向性もありますが、先ずはもう少し声を基本的に、普通に、出せるスキルを持つこと。
そこから、抑制することを覚えていく、という段階を考えるべきでしょう。
また、ブレスは息を出さないようにするから伸びるのではなく、出すから伸びるのだ、ということを知ってほしいのです。
今日は、発声練習で、簡単に胸声を教えました。
胸声というと、喚き声とか叫び声を想像しがちですが、そうではなく、本来の自然な声帯の声の出方である、という
意味において、声のオリジナル、原点であるということを言いました。
彼女の今回の場合、それは口を単純にもっと縦に上下に開けましょう、ということ、そして次に声を胸に楽に
当てるように出してみましょう、という程度です。
やってみると、これだけで声の芯が見えて血色の良い声が出て来ます。
これだけ覚えてくれれば、まずは第一段階でしょう。
高音の声のチェンジとかそういうことは派生的なことで、余計な理屈なしでも出せるようになるでしょう。
何より、口が開かないことを、歌いながら口を自由に開けられるうようになるだけで、大きな進歩でしょう。
実際のグレゴリオ聖歌では、ブレスを持たせようとして、息を抑えないで、その逆にもっと吐いて行くように。
具体的には、上昇形のフレーズでは、積極的にクレッシェンドするように歌うことです。
以上のことに、今後のとても大きな要素があると思います。
