SY
発声:
母音をIにして発声練習。
とても安定して良い声を出せていた。高い方はあえて2点Gまでにしたのは、調子を崩さないため。
母音をAにすると喉が高くなるのは、声を前に出そうとするためだろう。
舌で喉を下げるのではなく、下顎の降ろし具合や首の立て方が大きいことが分かると違う。
曲:
フォーレ「イヴの唄」から、1番、5番、8番、9番、2番の順で練習。
1番はOuvrant a la clarteのリエゾンだけ。あとの発音は問題ない。
5番は、もっとも得意とのこと。
伴奏がつけばテンポはもう少し速くなるので、終わりのフレーズも充分に持つだろう。
8番はもっとも難曲の一つ。
ピアノ伴奏が安定して音楽出来ることが必須条件になるような歌。
伴奏付きでじっくり練習して歌えば、これほど素晴らしい曲はないと思う。
2番と9番は声も安定して歌えているので、どれだけ暗譜出来るか?更に確実にしてほしい。
結局、1,2,9の3曲に決めた。
フランス語の暗譜をもう一度じっくりさらってほしい。
HA
発声
母音をIにして、低音から5度スケールで始めた。
低音の声区のまま上がって行ったが、あまり換声しないでそのまま上の換声点まで昇れた。
本人は違和感を感じつつ、だったと思う、
この喉の使い方を覚えると、声質がかなり変わるだろうし、通りも倍加すると思う。
Verdi Il Trovatore から。レオノーラのアリア。Tacca la notte PlacidaとDi tale amor,che dirsi
今回はカデンツを省略。
細かいことよりも、中低音の声質改善がテーマになった。
やはり、喉を掘った声になり、声がスカスカして通らない。
深い声っぽくなるし、出した感じがするが、声の通りが悪くなるし、音程感も全体に低目になるので、発声の改善が望まれる。
母音をIにして練習すると良く判るはず。
喉の状態に敏感になって、歌詞発音でも歌うように練習すること。
高田三郎の「くちなし」
言葉を丁寧に歌う姿勢は、相変わらず良いので発声を大事に。
これも音域が低いので、中低音の声をピッチを高くすることと、フレーズの高低で高い方に跳躍する際に、声が飛び出ないように、
滑らかに。この基準は言葉を語る基準で考えると、良く判るはず。
イタリアのオペラアリアではないので、高音を強調する必要はほとんどない。
最後にフィガロの結婚から、「手紙の二重唱」を練習して終わった。
ADY
発声:
母音Iでの発声練習で始めた。
発声練習では、特に課題を持たずに、ざっと通すことに終始した。
ただ、感想としては発声の際にもし丁寧に歌い出そうとしているのだとすると、その程度、やり方を変えて見ることも必要と思った。
結果的にだが、いわゆる地声の声区をもっと歌の中に取り入れることで、今まで持って来た声の改善に役立つのではないか。
母音をAにすると、今までの下顎の悪い癖がかなり軽減しており、改善されていたことが認められた。
これは相当努力されたのだろう。
まずはこれで、スタート地点である。
この下顎の力みを出さないで発声することと、それとは逆に、喉そのものをもっと脱力することで、声を素朴なレベルとしてもっと出す方向性をこれから見つけてほしい。
An Chloe
中低音の声質が明るくなり、通るので気持ちの良い歌唱になった。これが一番大きい。
後は、高音で声が奥に入り過ぎないように、喉を上げないように下顎を降ろしてしっかり発声してほしい。
Ave Maria
全体に中高音域のPPの表現に意識が向くのか?以前の癖が出やすい。
彼女の場合は、イメージしたPPではなく、発声的にどうか?という部分を考えるべき。
具体的には、安易にファルセットの声にしないこと。
そのためには、喉を上げないことと声の出だしを軟口蓋から、と意識すること。
その声で強さを調節して決めること。
このことで、クレッシェンドが効いて来るはず。
良い意味で声の扱いをもっと喋り声のようにする、というイメージも彼女に限っては良いのかもしれない。