TK

ラクメの「若いインドの娘はどこへ」を譜読み、練習しました。
以前、私が課題で出したのですが、その後の紆余曲折を経て今になってみると、彼女の声の成長から
みて、少し一足飛び過ぎかもしれないな、と気になりました。

とにかく譜読みを確実にすること先行で、声のことは後廻しなのですが、
そのことを勘案しても、高音の声はまだ難しさが残ると思います。

オペラアリアですから、声は出るか出ないか?というレベルではなく、声量としてどうか?ということと、
声質も伴って来るでしょう。

完璧には行かないとしても、もう少し中低音~中高音の領域の声を伸ばしたいと思います。
そのことで、更に高音の声量が出せるようになりたいところですが、時間がまだかかるでしょう。
その意味では、やや超高音のテクニックだけに偏ってしまい勝ちになるのが、逆に心配です。

もう少し譜読みと本人の練習を待って、方向を見定めてみたいと思います。
曲目をわざと重いソプラノのアリアで練習してみても良いかもしれません。
次回、考えてみたいと思います。

SY

フォーレの歌曲2曲と、日本歌曲。今まで長い間かけて勉強してきたものです。
今日は伴奏合わせでした。

フォーレの「尼院の廃墟にて」が、まだ、つっかかる箇所がありました。
この理由は、譜面を見て歌う場合は、弱視である、という彼女の肉体的なハンディにも起因することですが、
まだ読みが浅いという点も残っているように思いました。
歌う以前に、歌詞をとにかく大きな声で淀みなく、明快に読めるかどうか?もう一度確認してください。

それから、忙しいとは思いますが、何かをやりながら、というのは無理があると思います。
5分でも良いですから、練習はそのことだけに徹底集中してみてください。

また、例えば歌詞の読み聞かせでも良いのですが、ご主人でも良いので、相手を作って、
大きな声である程度のスピードで淀みなくつっかえずに読み聞かせることをやってみてください。

もちろん、文字がきちんと読める環境を整備したうえで、ということは最低限の条件としてです。

日本歌曲の暗譜は完全に出来ていました。音楽的な表情もついてきて、あとはピアノとのアンサンブルで
完成でしょう。

HN

彼女曰く、胸声は叫び声のようだ、という言葉がヒントになり、結局胸声的な発声を1時間通したレッスンでした。
Vergin tutto amorとPer la gloria d’adorarvi,そしてVittoria mio coreを復習しました。

胸声にこだわるのはこの2年以上続けて来ても、声量が今一つと感じたことが大きいです。
これまでは、音域を拡げることのために、声の切り替えの問題に主に取り組んできました。
成果は出て来たのですが、声量がなかなか出てこないので、今度は声量を出すことに切り替えて取り組んでみることにしました。

高音のチェンジは大分良い感じになってきましたが、まだ喉が浅い感じなので、思い切って
顔を少し上げて、喉の深さを少し意識してもらいました。
これで、2点F前後の発声が安定してきたので、曲練習で応用してもらいました。
高音で喉が上がると、声がどうなって?肉体的な感覚としてどうか?というのが判ると、
後は自然に喉が追従する、と考えています。

あまり細かい指示を与えると、彼女はとても真面目で忠実な方ですから、その通りにやることに終始し、
実は感覚が大切であること、から離れてしまうと思いました。

細かい指示ではなく、入り口だけを指示して、後は感覚に任せたいと思いました。

MM

前回の喉が深過ぎて、声がこもり音程が♭になりがちなが、大分矯正され、すっきりした声になってきました。

ただ、まだ2点C~F辺りの声が、ファルセット傾向のすかすかした感じ、あるいはこもったような感じがあります。
これもやはり口先を開けない発声で、なるべく声帯を合わせた発声を意識してもらいました。

発音に際して、下顎を下す力みと同時に、喉を押してしまう点と、口蓋垂が完全に上がっていない点が、
この下顎の力みと関係あるように思います。

喉は自然に下がるべきなのですが、恐らく口蓋垂が上がってないと思います。
従って、口蓋垂を上げるために、あえて、下顎を降ろさない発声をすることで、強制的に口蓋垂が上がる発声を使用、という
発想です。
これだけで、かなり音程は良くなりますし、またスカスカするファルセット傾向の声も矯正されて、当った声が出て来ます。

人によって発声の傾向は違うものですが、彼女の場合喉の前側が下がる傾向がとても強いということでしょう。
喉のポジションですが、下がるかどうか?よりも、フレーズを歌う中で、ある程度一定であることの方が大切なのです。
すなわち、高音に上がる際に喉が上がるのを抑え込む意識や、更に軟口蓋を上げる意識です。

要するに歌いながら、動かすことなのです。
ブレスで喉の準備が出来たら、それで固定ではないのです。
歌いながら、フレーズの形、音の高低に柔軟に喉は即応するように、発音、発声を意識してください。