SM

グノー歌曲「いない人」
そしてアリア「宝石の唄」
最後に中田喜直の「歌をください」

歌いこみがまだ足りない状態で、かなり細かい指示になった。
どの曲にも共通することは、細かい音符{8分音符など}のリズムが走ってしまう癖を治すこと。
跳躍音程の高音側で♭になる点、メッザヴォーチェになると、口先で歌ってしまう点等々。

「いない人」は、いわば夜想曲であり、夜にきらめく遠景の街灯のきらめきを想像してみてほしい、と話をした。
夜の風景を歌うときはどんな声で、どのように歌おうとするだろうか?

「宝石の唄」は、全般に声の響きの高さと明るさ。
これは、下顎発声の矯正と、8分音符の端折る癖を直した。

メロディ、歌詞、歌声のバランスが良かったのは、日本歌曲。
やはり言葉のニュアンスが声に与える影響が大きいのだと思う。
理屈抜きで、自分の言葉は自然に声が作られる。

発声全般の大きな課題は、下顎で発音すること。
あるいは声の響きを喉を開いた状態(舌を奥に下げた状態)で作ることにある。
これが、声をこもらせたり、♭気味に聞こえる原因となっている。

なぜ、こうなるか?というと、喉を下げて押しつけて歌おうとするからではないだろうか?
確かにこの方法で出すと、声が出るように感じるだろう。
ただし、舌で押しつけているだけなので、こもった響きになるし、音程が♭気味になる。
息が上に自然に流れる歌声にならないから。

先ずは下顎で発音・発声することを抑制し、軟口蓋発声が発達してから、下顎の関与を考える方が良い。