MT

シューベルトの「水車小屋」から4番~7番まで。
概ねテンポの調整と、声質の調整を行った。

前回も指摘したが、声のポジションについて。
この場合は、声質と言い換えても良い。

無理なく響く声、という言葉でMTさんらしい歌声を出す発声のポジションあるとすれば、その基準をもう少し低い場所に感じることで、声という楽器の使い方を変えてみる、という方向。

例えばギターでいえば、コマよりももっとフレット側に寄せてつま弾くイメージだろうか。
弦の張力が微妙に緩くなるから、つま弾く力加減が変わるだろうし、響きも良い意味で太くなるはずである。

実際にはみぞおちから出だす感じとか、胸の響きを少し意識して出すこと。
これまた弦楽器に例えれば、弦だけの響きではなく、胴の響きを出す感じである。

声帯とか喉、という楽器のキャパシティがあるとしたら、そのキャパシティを良く使って声を出すこと、と言い換えても良いかもしれない。
発声に余裕はあるべきだが、今は半分くらいを一所懸命使っている感じ。
彼の声帯という弦、リードはもっと使える大きさと可能性がある。

楽器の太い弦があるとしたら、太い弦の振動を充分に行うことや、弦の長さがあるとしたら、その長さを充分使って響きを作ること、とイメージしても良いだろう。

ST

2点C~換声点辺りの発声で、音程の高さの影響からか、息が止まったように声を出すために、結果的に音程が♭になる。
抜けが悪いために、音程が乗らない感じ。
感覚的に、歌っている時に気持ち良く息を吐けているかどうか?という基準をしっかり意識すること。

練習方法として、息を吐く練習をする。
ささやき声の感じで、息を軟口蓋辺りに当てるようにすると、息の音が高い共鳴のする響きになる。
この状態になるように、その響きを続けられるように、息を吐く練習をして、そのまま発声に換える。

Ridente la calma
一回目の通しでは、高音発声が弱くなってしまった。
それで、発声練習でやった息を吐く練習で、やりなおした所、高音の換声点辺りから上の声量が自然に伸びた。
まだ恐る恐るの所があるが、慣れるともっと伸びるだろう。

Dans un bois solitaire et sombre
母音でざっと通して歌ってみたが、充分に歌い通せるレベルの声になって来た。
フランス語の読みを徹底した。
Le me de など語尾がeで終わる単語は、90%が「う」という具合にあいまい母音であること。
これだけは覚えておいて損はないだろう。
これとて例外はあるのだが、雑駁でもパーセンテージで法則を覚えておく方が楽である。