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最後の合わせのレッスンとなりました。
Il bacioからでしたが、最初の通しはピアノ伴奏のテンポが早く、歌い難いようでした。
テンポは速度ありき、で決まるのではなく、全体が表している雰囲気を感じ取ってから、
速度がそれについて行く、と思った方が良さそうです。

最終的に3拍子一拍分を160で取るテンポにしました。
これでも、最初のテンポより遅かったです。
コーダのところは、ブレスが短く、フレーズが長いですので、テンポ設定が効いてくると思います。

オランピアのシャンソンは、機械仕掛けの演出を見せてもらいましたが、動き過ぎで、
せっかくの歌を聴く集中力が殺がれてしまいます。
機械仕掛けの動きを付けることは良いと思いますので、なるべくシンプルに、要所で見せることと、
動きが音楽と一体化しない方が、この場合は良いと思います。
一緒になればなるほど、音楽を聴く集中が殺がれてしまうと思います。
むしろフェルマータの間合いを長く使ったりする方が面白いでしょう。

最高音を出す時に手を使うのは、高音を出す確実性という発声上の理由として、とても有効だと思います。

最後にモーツアルトの伯爵夫人の「愛の御神」を練習しました。
2点Gから上の声が浅く子供っぽくなる点が惜しいです。
上向フレーズの場合特にですが、一音前の声の響きで決めておいて、上に上がってもなるべく変わらない声で
出そうと思うだけでかなり違います。

後は、要所の発音を明快に、ということ。
そして、それ以上に、前半の静かな表現と、後半の「聞けよ愛の神、嘆きの声を」の部分は、直情的に
表現して歌った方が良いと思いました。
全体に綺麗に歌い過ぎるため、歌詞そのものが伝わらないようです。
前半の静かな部分を丁寧に、後半をドラマティックに歌い分けると良いでしょう。