OM

コンコーネの15番の1番。
今までも良く練習して来たものだが、メリスマでそれもあまり音域が高くないのだが、粒がもうひとつ揃わない。
見ていると、下顎をがくがくと動かして発声している。

これは音域が低いせいかもしれないが、音域に関わらず、下顎を動かして細かい音符を歌ってはいけない。
こう言うフレーズは、下顎を動かさないで、軟口蓋で歌うように練習してほしい。
そのために、いつも発声練習で、下顎を固定してJAJAJA(ヤヤヤ)で練習するわけである。
このことは、徹底的に練習して身につけてほしい。
増してコロラトゥーラを目指すものであれば、必死で練習してほしい。

曲は、林光の「4つの夕暮れの歌」の3番と4番。
中音域の声が良く響いて、音楽に共鳴しているかのよう。何か音楽と声が合致していると感じる。
彼女の中にある、素朴な音楽性の何かを感じた。
こういう曲は放っておいてもよく勉強してくれるだろう。

ヴェルディ「リゴレット」のジルダの有名なアリア。「愛しい人の名は」
感心したのは、2点hでクレシェンド出来るようになったこと。
逆に言えば、きれいなPPで2点hの声を出せるようになったことが、大きな成長。
課題は、メリスマは、極力1フレーズを長く取って歌うように練習すること。
勝手にカンニングブレスを入れないこと。
このことに尽きる。

これも逆に言えば、今の能力で、1フレーズで歌いきるように、テンポの配分を自由に取って歌えば良いのである。
名人の真似をする必要はまったくないし、出来るはずがないのである。

そして、どうしても1フレーズで歌えないのであれば、今は練習を止めて将来に歌うのを取っておくべきである。
それくらいの強い意志と覚悟で、練習と譜読みに取り組むべき作品であろう。

最後にプーランクの「ティレジアスの乳房」ティレジアスのアリア「私はもう嫌!」を練習。
一通り通した後、フランス語の読みを確認した。

発音のsとSの違い。スとシュの違い。MonsieurのsはスでDechirezのchiはシ。これも絶対間違えないで覚えて欲しい。
ムッシューなどと発音しているうちは、アフリカの植民地発音のレベルである、とフランス人に揶揄されるだろう、ということを話した。
読めるレベルから脱して発音出来るレベルを少しでも早く目指してほしい。