音名の音階別表記は、「国際式」に改めて書くことにしました。
今まで、私は、ドイツ式で表記していました。これは音大時代の習慣ですが、時代が変わり、現在は国際式が標準らしいので、これに従うことにしました。
単純に理解すれば、ドイツ式より3個分数が多いと思えば良いです。

IM

体験レッスンだった。
カルチュアセンターで4年、個人レッスン1年とのこと。
発声を聴くと、良い声質を持っているのだが、頭声発声が不十分である。
特に5点Cを超えると急速に喉が締まる傾向にあり、5点Fを超えると厳しい。

発声用語的に書けば、換声の問題ということになるが、そこに至るまでの音域の発声が影響している。
なかなか良い声なのだが、高音発声を伸ばすためには、現状では発声が重くなっていると思う。
また、鼻腔の響きを覚えることで、喉の力みを排して、換声点の通過がもう少し楽になるはずである。

それから、基本的に喉が緊張しきっていて、ブレスをして声を出す瞬間に、喉頭がかなり高く昇ってしまっている。
見ていると、高いところから声を出そう、というようにも見えた。

そのためにも、今は高音区をなるべく交えない音域で、緊張している喉をリラックスさせだす方法を見つけることが肝要である。

今日、試みに聴いてみた、現在通っているところで歌っているTu lo saiを聴いたが、やはり当初の予想通りで、頭声発声が未完成なので、
歌いとおすのは厳しい状況であると感じた。

イタリア古典であれば、Amarilliや、Ombra mai fuの方が、歌いとおせる可能性ははるかに高いということを話した。
現状であれば、3か月練習すれば、歌いとおすことは十分可能である程度の発声だと考えた。

TF

発声練習を一通り。チェンジより上は、5点Gくらいまでにしたが、音程感の良い声であり、歌を聴くのが楽しみであった。

ドナウディのO del mio amato benから始めた。
一点だけ、途中5点Esで出す、Lunge とChiの響きが、音程が悪かった。

前回も指摘しているはずだが、どうもこちらが意図した発言に対する勘違いがあったようである。
強いて同じだった点を挙げれば、喉を下げないでむしろ上げるくらいに意識することであろうか。
それに加えて、声量を出さないように抑えて処理すること。

見ていると、母音がIで口を横にしっかり引いて強く発声している。
これでは、音程は♭に聞こえる、と思う。
そこで、とにかく声量を抑えて、軽く軽く、また喉は薄く当てるように、という指示で、修正が可能になった。

勘違いに関していえば、レッスンノートやレッスン時の言葉をその通りになぞろうとしていることによるのではないか?
言葉は、実行を促すためのきっかけであって、その通りなぞる、ということは難しい。
問題は、音程が♭になっている、ということであるならば、そのためにどうすればよいか?という方法論があるとする。
方法論はその通りにするとしても、自分で勉強している場合、自分ではわかりにくい場合があるから、まさに録音勉強があるわけである。

録音をして、自身が思った私が言った通りのこと、と違う方法になったとしても、録音を聴いて結果が良ければ、その結果を大切にしてほしい。
言葉は、ことほど左様に、正しく伝わるとは限らないからである。

レッスンノートにしても、あくまで備忘録であり、きっかけとして利用できれば、という程度に考えて、結果的にどうか?という耳での判断を大切にしてほしい。

VivaldiのIo son quel gelsominoは、概ね今回の問題は気にならない程度であった。