AY
「みかんの花」これは、声質が良くなったので、あとは表情を大切に。
明るく楽しいものを、少しだけ意識して歌いだすことが大切。
「からたちの花」全体的な流れは、前回より進歩していた。
歌詞の内容を説明したが、要は思い出を友達に語る内容だと思うこと。
からたちの花を見て、昔を急に思い出すと、次から次へとからたちの花にまつわる思い出が沸き起こってくる。それらを、友達に話す時どうだろうか?
感情が高ぶったり、あるいはしんみりしたり、しまいに泣けて来たり。
お酒をを飲んで久しぶりの友人と昔話に花を咲かせたことを想い出してみると良いだろう。
フォーレ「5月」前回よりはるかに良いが、歌詞の読みが不十分のせいか?歌声の歯切れがもう一つの感あり。8分音符の刻み感をもっと出すことと、逆に長い音符を球を放り投げるようなところを出してほしい。
たとえば、Pui-squ-maiと続く8分音符を、はっきり打刻するような感じと、Fleurとか、その次のDansなどは。子音の発語きっかけで、投げるように声を出すこと。
あとは、強弱をどう解釈するか?
歌詞全体の意味よりも、それぞれの強弱記号がついているフレーズを、感動の種類に色分けするほうが、結果的にわかりやすい演奏になるだろう。
感動するからPで歌うとか、明るい気もちになっているかFで歌う、というように、強弱を、感情の種類に振り分けること。
感情の強弱や種類と、楽譜上の強弱は、常に一致していること。
OM
前半は、ドビュッシーの「抒情的散文」「砂浜」を除く3曲を、練習。
今回の最大の成果は、換声点を境にファルセットが強く出ていた発声が、改善されてきた点。
この意味は、中音域~高音にかけてのフレーズが、スムーズに移行できるようになったことである。
長年教えてきたことなので、この点が開発されたことは教えた側として非常に喜ばしい。
ところどころ、特に弱声で喉を上げてしまう点が、まだ理解不足ではないだろうか?
喉を開ける意識は強声も弱声も関係なく、同じように出来なければならない。
その上で、あえて喉を開けない発声を、表現として選ぶことは「有り」である。
発音もかなり明快になってきたが、まだ母音だけで歌うように聞こえる部分がある。
これでもか、というくらい子音発音は出来るようになってほしい。
それくらい、日本語と彼の地の言語の違いは大きいのである。
外国語で歌うということは、その言葉の表面的な音を出すだけではなく、その言語の発音の意味に沿って正確に出来ることが、その言語による歌を正確に表現できるのだから。
「夕暮れ」のSommeilの発音が間違っている点、そろそろ間違わないようにお願いしたい。
別宮貞雄の「さくら横丁」は、抜群の仕上がりだった。前回教えたことが、ほとんどすべて出来ていた。
惜しいのは、最後のモチーフ提示の声が、ややポジションが不安定というか、高くなったこと。
このことが出来れば、ほとんどプロレベルといえる出来ではあった。
「ラクメ」のアリアは、むしろ高音発声があるからか?あるいは、弱声で歌うことに意識を持ち過ぎなのか?
特に中音域で、細く支えのない声になってしまい勝ちなフレーズが散見された。
debussyのProses lyriquesと同じような発声で、歌って問題ないはず。
鐘の唄のバートは良く歌えている。
高音も、かなり力が抜けてきて良く伸びるようになった。
前回指示したように、チェンジしつつ力を抜いて高音を当てるようなやり方も、一つのテクニックとして利用すると、全体的にも力みが取れるのではないだろうか。
いずれにしても、全体的に発声の理解が深まり、練習することで進歩出来るレベルになった。
今後も、更に発音を含めた発声法の開発を進めて行ってほしい。