OM

ヴェルディのIl poverettoを練習しました。
この曲の持つリズム感、ノリ、を良く感じて歌うことを指摘しました。
そのためには、譜面にあるマルカートを良く感じること。

出だしから8小節のモチーフが、最初の4小節を起点として次の4小節が承になるという古典的な形式です。
最初の4小節の歌い方と次の歌い方の違いを、自然に音楽から感じて歌い分けられるようになってください。

イタリアの、特にヴェルディの歌曲には、イタリアの庶民の悲哀が感じられます。
古いモノクロ時代のイタリア映画など見ると、イメージが沸くでしょう。

ドビュッシーのAriettes oublieesから、C’est l’extase
声の扱い、特に中低音の声の響きのレガートを大切にすること。
何となく歌うのではなく、きっちり響かせること。
下顎をぶらぶらにしないで、開けすぎないようにしながら、少し後ろに引くように発音すると、声帯が合った前に出る響きが感じられるポイントが見つかるでしょう。
これを大事にしてください。

初期の Clair de lune
譜読みは良く出来ているので、あとは声を確実に歌うように練習してください。
やり方はC’est l’extaseと同じです。
音域は高いし、柔らかいイメージですが、基本は声帯をよく張って歌えることが出来ているか?ということが出来た上での、
緩んだ使い方であったり、柔らかい喉の使い方である、という順番だと思います。

ドビュッシー「叙情的散文」から「砂浜」
これも、何度も歌っているので良く歌えていますが、中低音はもう少し確実に響きをレガートに歌えるようになることが課題です。
C’est l’extaseと同じように、中低音発声の響きを丁寧に練習してください。
特に響きの明るさ、通りの良さが大切な点を忘れずに。

椿姫「そは彼の人か、花から花へ」
高音発声が絶好調のようですね。5点bのメッザヴォーチェの響きも良くなってきて、表現力の幅が広がりました。
最高音もビブラートが感じられて、良いバランスです。
強いて欠点を上げると、中高音域で力んでしまうと、声のポジションが高くなって、子どもっぽい声になる点。
前に声が出るだけでなく、ほんの少しあくびした状態の発声を意識することも必要です。

イタリア物だからといって、前に明るくキンキン響くだけだと、声質の表現幅が狭くなるでしょう。
その点は、譜面と照らし合わせて、声を作り上げていく作業を怠らないようにしてください。