YC
2年ぶりくらいでしょうか。再び素晴らしい歌声を聴かせてくれました。
プッチーニのジャンニ・スキッキで始まり、ボエームのミミのアリアやら、ムゼッタのワルツ、そしてトスカ、ドレッタの夢、特にドレッタの夢は、素晴らしいですね。
メッザヴォーチェが効くようになって、このアリアの抑制された調子から爆発的に解放される、HiCの美しさは、アマチュアではそうそう聴かれるレベルではないと思います。
彼女の高音は、どちらかといえば、ロングトーンで真価を発揮するタイプですが、かといって、リリコの喉ではないです。
換声点辺りから急速に声に共振が出て良く響き、更に5点bを超える辺りで、再び声の共振現象が起きるようになります。
この声帯の共振現象のようなもの、が起きることでブレスが飛躍的に伸びるのでしょう。
いわば喉に一つの響きの層が創り上げられることで、いくらでもと言っても良いくらいに息が伸びます。
一方、換声点より下の中低音の響きに課題がある、といえばあるでしょう。
子供のころから非常に素直に育った声なので、中低音の発声には何の衒いもありません。
それだけに、この手のイタリアのアリアを歌うと、一層の洗練がほしくなります。
要するに喉の開いた、共鳴感のある、少し響きが奥に入った声です。
あるいは、縦に開けた口でそれが、少し可能になるかもしれません。
最後に「シャモニーのリンダ」を少し練習して終わりました。
忙しいとは思いますが、また少しずつ復活してください。