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「からたちの花」
歌いこみが少ないので、何度も通しました。
声のことよりも、表現になりますが、一点だけ、レガートに歌うための言葉の処理を指摘しました。
基本的に8分音符がシラブルになっているメロディですが、音符のアタックが目立つのが気になりました。
大げさに書くと、か~・ら・た・ち・の・は・な・がという具合。
単母音で旋律を歌っても、まだ音符を出そうとしていました。

言葉を歌うとき、最低限、単語単位の流れを意識してください。
それが出来たら、文節単位。という具合に、言葉を語る単位をよく理解して、その単位をひとまとめにするように歌うことです。

声楽でこのことをやるためには、下あごを発音に関与させないで、舌を良く動かしてやることです。
このことで、喉奥を開けた状態を維持して発音・発声が出来るようになるからです。

口の開け具合は、その人の喉の状態によりますので、調整は自分で調整してください。

あとは、強弱の意味を、歌詞の解釈から良く考えて対応してください。
特にこの曲はPPが頻出しますが、PPで歌う感情をよく考えてください。
喜びを抑えるあまりにPPになることもあるし、思い出しているためにPPになることもあるでしょう。
楽譜に書いてあること、歌詞の意味、それぞれ良く研究してください。

ヘンデルのPiangero la sorte mia
こちらも、声よりも表現を中心に指導しました。
レチタティーヴォの内容、アリアの内容、それぞれ、感情表現があります。
激しさ⇒深い悲しみ⇒強さ、勇ましさ⇒悲しみという循環になります。
これらの感情表現を、真剣にやるよりも、わざとらしく捉えてみた方が、表現として分かりやすくなると思います。
というのも、歌声が安定して、一つの完成度があるために可能となるわけです。

好結果を出してくれました。
「からたちの花」は、難しいです。が、やりがいはあるでしょう。
歌う演劇性と、声の強弱を、どう結び付けるか?ということが鍵になると思います。