今日のレッスンは、PPの声のこととか、感情を表に出すこと、という指示が多かった気がします。
後は、低音発声でしょうか。
PPの声は、文字通り小さく出すわけですが、見ていると声の出し始め、フレーズの第一声の出し方として、息を使いすぎていると思いました。
良い声で歌っているのですが、ブレスを見ると胸を上げてしっかりブレスを入れている感じです。
このブレスだと、とてもPPの声は出せないです。
声量を出すと良い声が出て、メッザヴォーチェで途端に上手くないのは、このブレスと呼気の使い方の問題が大きいと思います。
日本語であろうが、イタリア語であろうが、フランス語であろうが、声楽発声は、一つの共通したメトードがあると思います。
それは、子音発音が母音を作るという発想。
母音を作るということは、喉の声帯の状態を規定する、という意味です。
「小さい秋」と歌うとき、「ち」という子音の発語の仕方で、次の母音Iの響きが決まるわけです。
子音の扱いが分かると、歌声の表現と声が結びついてくると思います。
これこそが、歌うことの面白さにつながると思います。
たんぽぽ!と歌うときのTの子音の強さも、大事です。
これは、無機的な意味ではなく、それを言う人の心の在り方と結びつきますので、なおのこと大事なことなのです。
歌声は、確かに良く通る声は大事ですが、音楽ですから、明快な音程感のある歌声はとても重要です。
特にピアノ伴奏で歌を歌う際に、声の音程感が明快にならないと、音楽の美しさが半減してしまいます。
それは、和音感を損なうからです。
意外と多くのソプラノに見られますが、声の響きを優先するあまり、ピアノ伴奏の響きや和音感とかけ離れた声の響きになることがあります。
これは、喉の使い方のせいですが、平たく言えば胸声の使い方です。
ミックスした出し方に多いですが、喉が高すぎるのだと思います。
そのため、歌い終わると喉枯れが起きやすいのではないでしょうか?
ただ、喉を低くという意識ではなく、喉を上げないという意識が必要でしょう。
まずは音程を正確に出す、という発想で声を出してみることを改めて練習方法に取り入れること。
女性の低音発声は、喉が自然に下がりますが、下がるだけで発声すると、息漏れで声がかすってしまうか、強く出すと地声になってしまう、というパターンが多いのです。
ハミングでしっかり声帯を閉じる練習をしましょう。
そのためには、ピッチを高く響きを集めて出す低音発声の練習が必要です。
母音のIだと低音発声が上手く行くのは、上記のことが自然に出来ているからです。
ハミングの練習が必要なのは、特に開港母音のAで低音発声を上手く出来る準備を作るためです。
この低音発声のことが分かると、鼻腔共鳴ということの意味が自然にわかり身に付きますので、高音の換声点の通過も、自然に上手く行くようになるはずです。