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伴奏合わせでした。

パーセルの「しばしの間の音楽」
音程感と響き、余計なビブラートのない歌声で、このバロック時代の劇中歌として最適なものでした。
テンポも良かったです。

強いて言えば、発音があまり良くわからない点。
せっかくの得意の英語なので、英語の発音の美しさを、もっと強調する方が良いと思いました。
またホールで歌うという音響的な意味でも、発音、子音の発語をはっきりさせる方が、歌が良くわかると思います。
自分で歌って、やり過ぎくらいが、ちょうど良いと思ってください。

モーツアルト「ドン・ジョヴァンニ」のドンナ・アンナのアリア。
アリア冒頭のレガートな歌唱は良いですが、伴奏が和音の反復形になってからは、2拍子の拍節感を感じて歌うと良いと思いました。
後半のAllegro楽節は、ピアノ伴奏と一体化しながら、先へと進んで行くエキサイトな音楽になったほうが良い結果につながると思います。丁寧過ぎないように。
声の問題はないです。

伴奏の音楽が、小さなピアノ音楽になってしまいました。
オーケストラの音楽であることを忘れずに。
特にFの表現が弱いのと、後半のAllegretto楽節の興奮が弱いため、ピアノの伴奏としても貧弱になってしまいます。

3曲目がプッチーニの「ジャンニ・スキッキ」「私のお父様」
歌がIn tempoな音楽になっていたのと、ピアノも音楽に積極性が感じられないため、相乗効果的に消極的なアリアになっていました。
声そのものは問題ないのですが、このプッチーニのような音楽は、フレーズ感が重要になります。

伴奏そのものはアルペジョの動き方を基本にして、フレーズを大きく見せるように意識してもらいました。
この曲の魅力は、風が吹きすさび、海の波が流れるような流麗なフレージングにあります。
フレーズを大きく見せてください。

特に重要なのはO Dio vorrei morirの後の間奏をEspressivoに奏することと、最後にRitからPPに変化して、歌のフレーズに入るところです。
このような聞かせどころを十分に意識して音楽を作ってほしい曲です。
歌声自体は、これらの音楽をすべて過不足なく表現できるレベルにあるので、後は伴奏の音楽と、アンサンブルでどれだけ良い表現が出来るか?が決まると思います。