KK

初めての方でした。声は明るい声で、音程も良く、いろいろ歌える可能性を感じました。
ただ、少し喉の力みがあるようで、特に下顎の力み、構えが強いタイプの声です。
そのため、中高音域になると、少し締まっている声の響きだと感じました。

少しずつ、この締まりを取れるようにレッスンを積み重ねて行きたいと思います。
今日は、シューマンの「女の愛と生涯」から、1番と2番を練習しました。

声とは別に、リズムを正確に取って歌う練習も必要と感じました。
何となく耳で聞いてメロディーを覚えると、付点四分音符のなどの扱いがぞんざいになり、
結果的にピアノと合わなくなったりすることが往々にしてあります。
ピアノ伴奏が合わせてくれるのではなく、正確にピアノと一緒に合わせられることで、良いアンサンブルが生まれますので、これもレッスンで練習して行きましょう。

HN

まったくの初心から初めて3年かかりましたが、ようやく第一段階終了と思うところまで、成長してくれました。
2点Gまでは、安定して歌える喉になったと思います。
声量も、いつのまにか、他の人と遜色のない程度に付いてきたと思います。
万全の態勢になるためには、更に喉を開くことを覚えてください。

一つは、ブレス時にあくびをするようにして、口の奥を拡げた状態の発声をすること。
もう一点は、歌いながら高音発声に準備して口を縦に開けられる、柔軟な口の使い方でしょう。

本番が近い「手紙の二重唱」伯爵夫人のパートを練習しました。
口の開き方として、最高音は喉が上がらないために、良く下顎を下げる方法と、軟口蓋を良く上げることで音程を
出せるようにすることを練習しました。

また、上唇を上げることは、意味がありますが、何でもかでも、ということはありません。
むしろ喉が上がる原因になっていることがありますので、高音に近い場所では気を付けて下さい。
2点D以上よりも下の領域、中低音域で使う方が、効果的だと思います。

OM

高音発声は難しいですが、基本は5線の中の発声を再度考えることで、さらなる高音発声の上達につながると思います。
それは、ブレスとブレス時の喉の開きです。この辺り、高音発声の喉が締める癖があるので、これを排除するためにも、
中低音から、もう一度しっかり喉を開いて歌う基本を覚えてもらいたいのです。
単純に歌い出すと喉が上がる、という事実を掴んでもらいました。

喉の位置が高くいけないのではなく、歌おうとする際に喉がぎゅっと上がらないように出来る方法を覚えてください。
ブレスであくびの状態を作って、そのまま高い場所から声が出だすようにします。
これは、声帯が綺麗に閉じた状態で、自然に声が出る方法でもあります。

後は、気になるのが少し声が揺れる傾向が出ることです。お腹か胸に力が入り過ぎてないでしょうか?
この身体を作るのに少し時間がかかると思います。
まだ、立った状態でのブレスと声出しにいたる身体の状態は、安定したポジションを掴めていないと思います。
何度も練習して慣れて覚えるのください。

高音自体は良く出せる喉を持っていますので、基本的な立ち方やブレス、そして喉を開く、というところをしっかり覚えて身に付けて行くことで、高音は更に楽に伸びる響き、あるいは声域が伸びると思います。

MM

発声練習ではAの母音で下降形から練習しました。
発声練習そのもので特にトピックはなく、実際の歌の中で色々練習を重ねました。
歌は、Donde lietaから。
最初のページは調子が良かったのですが、ページを追うごとに、彼女の課題である2点F前後の発声で
響きが♭になる傾向が顕著でした。

次のアンドレア・シェニエでもその傾向は変わらず、特には下顎を使わないことで、上を開けることの開発を
促しました、
この方法で出来るはずですが、彼女の声で判断に窮するのが、胸声と頭声のバランスの具合です。
それほど胸声が強い声とも思えないのですが、実は予想以上に強く出ているのかもしれません。

というのは、何度も練習していると、喉が疲れて上がってくる様子が見て取れるからです。
最後の最後に、思い切ってファルセットになっても良いので、軽く・・という方法で歌ってもらいましたが、
これがなかなか効果的で、自然な良い声になっていました。音程も良かったです。

また、高音は縦に開けると胸声が強過ぎるのか、音程が出にくいようです。
そのためなのか、横開きにすると音程は合い易いのです。
ただ、やや浅く細い声なので、今はこの高音発声に慣れておい、慣れたら縦にして行く方向を考えて行くと良いでしょう。