今日のレッスンで印象に残っていること。
楽譜通りに歌うことです。
これは、意外と出来ているようで出来ないことです。
マスネーの「マノン」のアリア Je suis encore tout etourdie
このアリアは、音楽そのものが演劇的に出来ているので、その意味で楽譜指示に忠実に従うと、自然と作者の意図した演出が表現出来るように書かれています。
ただし、その表現意図が理解できていなければ、いくら楽譜の指示通りにしても、表現は出来ません。
その意味では、声楽の技術としては、レベルに達していると思いますから、あとは楽譜の細かい指示を見逃さないで、声の強弱と緩急を聴衆が分かるように
明快に、強調するくらいにして、歌ってください。
山田耕筰の「たたへよ、しらべよ、歌ひつれよ」の表現は、ピアノ伴奏の音楽から受けるイメージから風景を考えること。
私なら海をイメージしますが、海でなくても良いでしょう。春の喜びとともに詩人が感じた内面の喜びを、何に喩えるか?
歌う人が感じる春の喜びと、人間的な喜びで、何をイメージできるか?
抽象的なものではなく、自分の喜びの経験から、それを抽出してください。
音楽的には、特徴的な付点の跳ねるリズムを大切にすることと、最高音で声が引っ込まないように、口を開け過ぎると声帯が開いてしまうタイプなので、
最高音に達する前の状態で、口を開け過ぎないように気を付けてください。
最後のフレーズは、FからFFFへという大きなクレッシェンドですが、最初のFを守ってしまうと、多分、ほとんどクレッシェンドが効かないでしょう。
Pくらいにしてフレーズに入っておいてから、クレッシェンドするほうが効果的と思われます。