フランス歌曲とオペラを歌ったソプラノさん。
ドビュッシーのBalconは、古典的なリズム進行は陰に隠れ歌の語り方次第で音楽が自在に変化できるようになっています。
1234という具合のビートを連続して演奏すること、によって得られる進行感は出そうとしない方が良いです。
「たたえよ、しらべよ、歌ひつれよ、」付点音符の跳ねたリズムなら、その跳ね具合を強くしっかり出してください。
音の強弱を付けることも、奏法上の正しいとされるテクニック(正しいとされる)を構わずに、まずやってみてください。
奏法や発声的に正しいか正しくないか?は、その後で良いと思います。
マスネーのオペラアリアは、やはり中低音の語り口が弱い感じです。もう少し語りに特徴や演技力が付くと、高音域のメリスマが活きて感じられるでしょう。
合唱のソプラノパートさん。
ファウストの劫罰の演奏会形式の合唱部門。
オーディションの準備とのことで、この作品の合唱部の一部を練習しました。
フランス語も音取りも問題ないレベルでしたが、歌声にフレージングがほとんど感じられません。
音をなぞっているだけ、という感じがします。
フレージングは声の響きを膨らませたり、あるいは減衰したりという声の響きをコントロールすることが大事です。
今後はこの点を重点的に、発声を進化させていきたいところです。
バリトン氏の歌声は、明快にハイバリトンですね。
低音はそれほど豊かに響く声質ではありません。
そのため、今回練習しているトスティのIdeale と、L’ultima canzone いずれも低声用をオリジナルキーにしてみました。
これは大当たりでした。
コロラトゥーラさん。
高音発声で音程が♭になるのは、概ね声の出し過ぎによるところ大です。
本の少し、抑えてやる、押さないようにする、ということだけで、実にきれいな高音発声が出来る場合があります。
特にコロラトゥーラの最高音域で、音程が♭になるのは、ほとんどが喉の押し過ぎです。
しかし、今回は息使いが上手くなって、滑らかに綺麗な音程の高音発声が出来ていました。
今後もこの調子を持続してください。