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発声に関しては、アマチュアで楽しんで行くレベルとしては、必要にして十分なレベルを持っています。
課題は、中低音から喉を深くしてしまうため、声の通りが悪くなる傾向があります。
これは、高音発声に準備する理由があるために無意識の結果では?と思います。
高音発声はファルセット頭声の強い声なので、どちらかといえばコロラトゥーラには向いているでしょう。

中低音の発声は、歌曲ではやや通りが悪くなるので、分厚い声を求めずに声の響きを高く集めるように訓練して行ってください。

今回の曲は、どれも良く歌えていました。
特に「霧と話した」は、彼女の十八番になった感がありました。

「くちなし」は、テンポが重すぎて歌詞の意味が伝わりにくい感じがしました。
少しテンポを速めたことと、音楽の変化によってフレーズ毎のテンポ感に変化を表すことを指導しました。
特に、父の言葉が出て来た時は、テンポを意識せずに自分のイメージで父の言葉として語ってほしいところです。

音楽のテンポ感は不思議なもので、ゆっくり語れば良くわかるか?というと、そうでもなく、必ず文節の一括りの流れや勢いを意識することが、
伝わる言葉になるのだ、と思います。
朗読をする必要があるのは、その意味でも有効な勉強方法なのです。

「私が街を歩くとき」は、長い音符の歌い方が、息が流れない感じがありました。
特に冒頭のQuandoのAの母音です。
こういうところに、音符を歌っているか言葉を歌っているか?の違いが端的に表れるのではないでしょうか?

具体的な練習方法としては、ささやき声でリズム通りに語って見る練習をすると、息の吐き具合が具体的に体感できると思います。
このことを実感したうえで、歌声として同じ調子で出してみる、という方法を薦めます。